ProActiveビジネスを軸にデジタルオファリングへの転換
SCSKが目指す「デジタルオファリング」事業への転換において、菊地氏が率いるProActive事業本部は重要な役割を担っている。SCSKのオファリングは、他社とは異なるアプローチを取るという。様々な製品・サービスの組み合わせだけではなく、独自の知財開発力とエンジニアリング力が競争の源泉なのだという。菊地氏は、ProActiveビジネスの位置づけについて次のように説明する。
「受注開発のビジネスを中⼼とするSIer とは異なり、SCSK のビジネスの要は技術の知財だと考えています。ProActiveは提供を開始して以来、社会のニーズを踏まえて今後の課題解決に役⽴つ機能の実装を続けてきました。結局、オファリングへの展開とは、⾃分たちがナレッジとして貯めてきたものをフル活⽤し、お客様に提案することに他なりません。ProActive事業はSCSKが持つ技術知財を集めたい⼀番⼤きな事業体になります。ポートフォリオである、ProActive、atWill、PImacsを活用し、業種と業務の課題を横断して解決し、お客様のビジネスの高度化を可能にするオファリングメニューとしての整備を進めています。ビジネスコンサルティングの会社もオファリングを全面に押し出すぐらいですから、目指す姿はそれぞれの企業で違いがあるでしょう。しかし、SCSKはデジタルエンジニアリング集団です。我々が目指すのは洗練されたデジタルテクノロジーを駆使した知財で、顧客のビジネスに確実に貢献できるオファリングを提供することです」
この方針は、SCSKが単なるシステム導入やカスタマイズにとどまらず、顧客のビジネス価値創出に直接貢献することを目指していることを示している。ProActiveは、SCSKが長年蓄積してきた技術知財の集大成として位置づけられており、今後のオファリングビジネスの中心となることが期待されている。
菊地氏はオファリングビジネスの将来像について、次のように語る。
「今後は新しいブランドを作ることになると思っています。その構想は近く発表する予定です。オファリングを構成するソリューションはERPだけにとどまりません。お客様の課題を全て解決するために、ERPだけではなく、AI、データ&アナリティクス、モビリティなどの先進技術を組み合わせ、ブランドの価値を見せていくことになると思います。『Proactive（先を見越して）に経営を支援する』というコンセプトは残しながら、統合的なブランド構築をめざすことになるかと思います」
