
2024年10月、Sophos(ソフォス)はXDRプラットフォーム「Taegis(テイジス)」を中核に据えるSecureworks(セキュアワークス)を8億5,900万ドルで買収する予定だと発表した。注目が高まる中、Secureworks 代表取締役のスティーブ・フルトン(Steve Fulton)氏が来日。EnterpriseZine編集部は、今後の事業戦略について話を聞いた。
XDR市場シェア37%──日本での実績に自信見せる
セキュアワークスが提供する「Taegis」は、エンドポイントやクラウド、OT環境などの多様なデータソースから監視情報を収集でき、350以上の連携機能を備えたセキュリティプラットフォーム。以前、同社が提供していた「Counter Threat Platform(CTP)」に代わるクラウドネイティブな次世代プラットフォームとして、2022年11月から日本市場に投入されている。
日本市場での実績についてフルトン氏は「IDCは、日本における“クラウドネイティブXDR”市場においてSecureworksを1位と評価しており、市場シェアの約36.6%を占めていると公表している[1]。グローバルでの成果にも満足しているが、日本での実績は特に優れているだろう」と評する。
これはマネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)やリセラー、ソリューションプロバイダーなどによる、パートナーエコシステムの形成に注力している成果でもあり、新規販売の約80%はパートナー経由だ。
日本展開を始めた当初、XDRの概念は比較的新しいものだった。そこから約2年が経過する中、「XDRに対する理解が深まり、顧客やパートナーは『真のXDRプラットフォーム』を積極的に探している状況だ。(競合他社と比較して)Taegisは、最初からXDRプラットフォームとして設計・構築された点で優位性がある」とフルトン氏。EDRやファイアウォールといったポイントセキュリティによるアプローチではなく、統合プラットフォームとしてのアーキテクチャが特徴だという。
なかでも、フルトン氏は“XDRの各要素”が差別化の鍵だとも述べる。「X」は幅広いソースの統合、「D」は無数の検出ポイント、「R」は自動化と対応アクションだ。また、機械学習やディープラーニングモデルを使用していたが、近年は効率性の向上とアクセシビリティの強化を目的に生成AIの導入も進めている。
「多くのベンダーにとってAIを組み込むことは新しい試みとなるが、私たちは既に8年前から取り組んできた。ここに25年以上にわたるナレッジを組み込むことで、より迅速かつ優れた形で対処できるように進化させている」(フルトン氏)
[1] 「セキュアワークス、『クラウドネイティブXDR市場』において、国内シェアNo.1を獲得」(セキュアワークス株式会社、2024年7月4日)
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
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