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回復基調のPLM市場、PTCはダッソーやシーメンスをどう捉える? 本国幹部に訊いた、最新の市場動向

日本市場に感じる、成長の余地とは

好業績の主要プレイヤー、ダッソーやシーメンスをどう見るか?

 前述した課題解消に向けて、AIテクノロジーの導入も新たなトピックとなっている。PTCはもちろん、競合であるダッソー・システムズやシーメンスも製品への組み込みを進めるなど、主要プレイヤーは軒並みAIを採用した形だ。

 では、PTCに所属するレン氏は2社をどのように見ているか。まず、ダッソー・システムズについては、「(PTCとの最大の違いは)彼らが『すべての製品を自社から購入する必要がある』というクローズドなスタンスを取っている点だ。また、ALM領域では十分なソリューションをもっていない」と指摘した。

 一方、シーメンスについては「ALM、PLM、CADのいずれも強力な製品群を持ち、非常に競争力が高い。しかし、これらを密接に統合して相乗効果を引き出せているかは別の問題だ」と述べる。

 こうしたレン氏の背景には、PTCが「デジタルスレッド」と呼んでいる製品戦略がある。特に要件管理からソフトウェア、機械・電子ハードウェア、システムまでを1つの製品開発フローに統合することで「ソフトウェアとハードウェア設計の融合を実現する」とレン氏。事実、ハイパースケーラーとの連携も強化しており、2024年12月にはMicrosoftおよびVWグループとの協業の一環として、ALMソリューション「Codebeamer」をベースにした生成AIの開発を発表している。

 また、PLMに加え、ALMやCADを単独のツールではなく、統合されたプラットフォームの一部として活用できるようにSaaS化を推進。他社に先駆けたこれらの取り組みにより、差別化を図っている。さらにPTCの成長を支えるもう1つの要因は「オープン戦略」だ。

 「PTCでは、競合製品との統合にも柔軟に対応しており、ユーザーには『私たちのすべての製品をそろえる必要はない』と伝えている。このオープンな姿勢により、ALMやCADで競合に対して劣勢だとしても、PLMで成果を上げる機会を得られている。こうした戦略がDXの選択肢として支持される理由だろう」(レン氏)

PTC 最高製品責任者(CPO)ケビン・レン(Kevin Wrenn)氏
PTC 最高製品責任者(CPO)ケビン・レン(Kevin Wrenn)氏

 実際にPTCは、製品ギャップが大きな領域では、積極的なパートナーシップを形成している。たとえば、Ansysとの提携では、Ansysの解析技術をPTCのCAD製品である「Creo」に統合することで、シミュレーション機能を強化。ダッソーやシーメンスとの競争に対応した。

 加えて、デジタルスレッドの実現を重要視しているとして「ユーザーにとっては、ALM、PLM、MES、ERPといったシステムが重要であり、これらを統合して『データを自由に移動できる』環境の構築に注力している状況だ」とレン氏。たとえば、MESやERPとの統合などを進めることで、業務の効率化を支援していると話す。

 「私たちの戦略は『統合』を中心としており、ERPやMESを展開する予定はない。いかに既存システムを効果的に活用できるか、その仕組みを提供することを目指している」(レン氏)

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「どの企業もDXの道半ばだ」──日本市場にこそ成長の機会

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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