非テクノロジー企業の出展も目立った
メディア向けの先行展示会にあたる、CES Unveiledには日本企業も出展。スタートアップだけでなく、キリンや共同出展していたコーセーと東京エレクトロンデバイスなど、一見テクノロジーとは距離がありそうな、日本の大手企業も出展していたのが印象的だった。
特に賑わいを見せていたのが、今回初出展となるキリンのブースだ。新規事業として展開している、減塩食品の塩味やうま味を増強する食器型デバイス「エレキソルトスプーン」が、「CES Innovation Awards 2025」の「Digital Health部門」および「Accessibility & AgeTech部門」の2部門を受賞している。
エレキソルトスプーンは、明治大学 総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室とキリンの共同研究によって生まれ、商品化された。展示ブースでは、実際にエレキソルトスプーンを体験することができたが、薄味のスープをエレキソルトスプーンを使って飲むことで、確かに塩味が増し味が濃くなった。
開発にかかった期間は約5年程度。現在はオンラインでの予約・抽選販売のみでの展開だが、上限以上の申し込み数が殺到しているという。市場は高血圧および減塩市場をターゲットと現時点では見ているが、減塩市場単体だけでも、数千億円の市場規模と見込んでいる。「まだまだ、社内でも認知度が低い状態」と担当者は語っていたが、反響に関しては一定の手応えを感じてる様子もうかがえた。
イベント全体として、今年も最注目トピックの一つのとなるのはAIだが、AI自体の一般化が進んでいることで、自動車などの移動手段や、家電などフィジカルなモノとの連携、融合を強調する展示も多い印象だ。垣根なく縦横無尽にテクノロジーが浸食している様子を、リアルで体感できる場になっている。