Slackとの統合強化──業務フロー内で自然に溶け込むAIサポート
今回のイベントでは、Agentforce 2.0から、Slackの会話の中にAIエージェントを参加できることも明らかになった。Slackユーザーは、Agentforce Hubから直接会話を開始すること、あるいはDMやチャンネルにAIエージェントを@でメンションすることで、業務の流れの中でAIエージェントのサポートを得られる。
また、Agent Builderで、「canvasを作成」や「チャンネルにメッセージを送信」などの新しいSlack Actionsが利用できるようになった。Slack canvasは、提案書、プロジェクト計画書、議事録のように、テキストメッセージだけでは表現できない情報の整理や共有に適したスペースを提供してくれる機能だ。たとえば、Slackスキルを持ったAgentforceにcanvasで顧客への提案書を作成してもらったとする。マネージャーは、その内容を確認し、あるページの中の表をTableau Vizに入れ替えようと考えた。ここでAgentforceがTableauスキルを利用できれば、Slackのチームメンバーとの会話の流れの中で、その依頼に対応できる。
SlackのDM、チャンネル、canvasの中には、顧客のビジネス特性を反映した豊富な専門知識が含まれており、Agentforceはそのデータを利用することで、より的確なアクションを実行できる。かつ、提案書の最終化まで、AIエージェントを含むチーム全員がその内容を共有しながら、業務を進めることができることになる。
マーク・ベニオフ氏(Salesforce会長兼CEO)はイベントの冒頭で、「人間とエージェントが一緒にカスタマーサクセスを推進している。それが今、セールスフォースの社内で実際に起こっていること」と語っていた。「私たちはデジタルレイバーのプロバイダーにならなくてはならない。創業からの25年間、企業が情報を管理・共有し、データを保存できるよう支援してきたが、デジタルレイバーを提供する立場になった。デジタルレイバーとは、ビジネスにとっての新しい地平線である」と述べ、新しい市場の開拓への意欲を強調した。