![(左より)日本オラクル 専務執行役員 クラウド事業統括 竹爪慎治氏/野村総合研究所 常務執行役員 IT基盤サービス担当 兼 NRIセキュアテクノロジーズ 大元成和氏](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/21434/21434_00.jpg)
日本オラクルは2月13日、野村総合研究所(NRI)が運営する東京と大阪のデータセンターに導入した「Oracle Alloy」を活用し、ガバナンスやセキュリティ、データ主権要件に対応する新しいセキュリティサービスおよび AIプラットフォームを提供することを発表した。
今回の協業は同社が進める「分散クラウドAI戦略」の一環となるという。企業が独自のクラウドオペレーターとして運用できるOracle AlloyをOracle Cloud Infrastructure(OCI)で活用し、企業が自社のデータ主権を持ちつつ、AIを実装したクラウドサービスを展開できる。
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日本オラクル専務執行役員でクラウド事業統括を務める竹爪慎治氏は「オラクルのデータセンターは急速に拡充され、現在110以上のリージョンを展開している。Oracle Alloyを含むデータセンターは年内に14リージョンへと拡大する」と説明する。
今回の協業によりNRIはセキュリティ対策のトータルサービスとして「NRI デジタルトラスト」の提供を2025年上半期から開始する。さらにOracle Alloyを基盤としながら、セキュリティ機能とガバナンス強化を実現する「NRI 金融AIプラットフォーム」のリリースを予定している。
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主要機能としては、クラウド環境の構成管理や脆弱性管理を統合した「セキュリティビルトインクラウド」、AI環境を備えた開発基盤としてDevSecOpsなどにも対応する「セキュア開発プラットフォーム」、24時間365日の脅威監視と迅速対応のためのSOC構築が可能な「サイバーフュージョンセンター」の3つが提供される。
また、このプラットフォームには金融業界向けに特化した大規模言語モデル(LLM)が組み込まれる。この金融特化型LLMは、NRI、日本オラクル、カナダのAIベンチャーCohereの協業によるRAG構築やファインチューニングの成果によるもので、金融業界向けに最適化された高度なデータ分析機能や自動化支援ツールとして「OCI Generative AI」サービスに統合されていくという。
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NRIの大元成和氏は、このプラットフォームの特長として「データ主権」を掲げる。「NRIのデータセンター内で全て処理できるため、データ主権を確保しながら、安全かつ高性能なAI環境を提供できる」と説明した。また日本における厳格な金融統制要件や、営業・コンプライアンス・事務業務など幅広い領域でAIによる支援が可能となり、高度な統制環境下で効率的な運用が実現できるという。