インフォマートは、企業や自治体でIT部門・DX推進担当・経営企画として勤務する人、加えて経営者・役員を対象に、「2025年の崖とDXに関する実態調査」を実施した。
6割近くが「2025年の崖」について理解が進んでいない
「2025年の崖」という言葉を知っているか聞いたところ、「内容をよく理解しており、自社への影響も把握している」が27.2%、「言葉は知っており、概要も理解している」が14.2%で、合算すると41.4%になった。
一方、「まったく知らない」が42.2%、「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」が16.4%で、合算すると58.6%となり、6割近くが「2025年の崖」について、理解が進んでいない状況であることがわかったとしている。
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約8割が「2025年の崖」が事業に与える負の影響を懸念
「2025年の崖」が、勤務先にどの程度影響を与えるか聞いたところ、「非常に大きな負の影響がある」が20.1%、「ある程度、負の影響がある」が36.9%、「多少は負の影響があるかもしれない」が23.4%。合算すると80.4%となり、8割以上が「2025年の崖」が事業に与える負の影響を懸念していることがわかったという。
また、「2025年の崖」が勤務先に与えうるリスクについて考えられるものについて自由回答で聞いたところ、「システム障害やシステム更新の影響で業務に支障が出る」「利用システムのサポート期限終了によるセキュリティリスクが増大する」「人材不足により運用保守業務の継続ができない」などが寄せられたとしている。
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6割以上の企業に「レガシーシステム」が存在
勤務先に「レガシーシステム」と呼ばれる、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した基幹システムや業務システムが存在するか聞いたところ、「主要なシステムがレガシーシステムに該当する」と回答したのは25.5%、「一部のシステムが該当する」と回答したのは37.6%で、合算すると63.1%となり、6割以上の企業にレガシーシステムが存在することが明らかになったという。
回答者を業種ごとに分類すると、割合が多い順に「製造業」が81.6%、「運輸業・郵便業」が75.0%、「金融業・保険業」が69.2%と続く。
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レガシーシステム刷新の壁は「業務に手いっぱいで要員が割けない」
勤務先に「レガシーシステムが存在する」と回答した人に対し、レガシーシステムを刷新するうえでの課題を聞いたところ、「業務に手いっぱいで十分な要員を割くことができない」が46.1%で最も多く、次いで「既存システムへの操作性や機能へのこだわりを解消できない」「ブラックボックス化が進み、影響度が想定できない」がそれぞれ42.7%で同率になったという。
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3割以上が「今後3年間のIT関連投資を増加させる」と回答
今後3年間、勤務先におけるIT関連投資の増減予定を聞いたところ、「大幅に増加させる予定」が8.3%、「ある程度増加させる予定」が23.3%となり、合算すると31.6%がIT関連投資を増加させる予定がわかった。
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今後3年間のIT関連投資を「増加させる」と回答した人にその理由や目的を聞くと、「DX推進による業務効率化・生産性向上」が44.7%で最も多く、次いで「セキュリティ対策の強化」が40.4%、「DX推進による新規事業・新サービス開発」が38.6%と続く。
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調査概要
- 調査対象:企業または自治体に勤務するIT部門、DX推進、経営企画の担当者、経営者・役員
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査内容:2025年の崖とDXに関する実態調査
- 調査期間:2025年5月23~28日
- 回答者:360名
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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