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「広く浅いツール」を提供する情シスと「深い活用」を求める利用者……生成AIで実現する業務変革メソッド

活用成果をどう測る? 多くの事例から導いた「定着」に必要な4つの要素

一過性ブームで終わらせない「人材育成」のポイント

 生成AIの活用を“一時のブーム”で終わらせないためには、使いこなす人材の育成も欠かせない。この点に関して、一過性の研修から継続的なOJTへのシフトが必要だと麹池氏は話す。

 「プロンプトの書き方研修を行えば、一定の知識は身につきますが、実際に業務でその知識を使ってみないと定着しません。技術も進化するので、それに合わせて研修の内容も変化させていく必要があります」(麹池氏)

 研修の繰り返しよりも、実務での継続的な支援体制が重要ということだ。使い方に迷った時の相談窓口や、具体的な課題解決を一緒に取り組むサポート体制の構築が、真の人材育成につながると麹池氏は強調した。

 同氏は、多くの日本企業が直面している課題を解決するためには、泥臭い「業務プロセスの再設計」を生成AIによって実現していくことの重要性を改めて強調する。「業務の流れを整理し、理想の状態を定義した上で、そこに適切な技術を当てはめる。ツールを使うこと自体を目的にせず、『あるべき業務プロセス』を実現するために技術を選ぶことが重要です」と語る。

 生成AI活用で悩んでいる人々に向けては「生成AIは適切に使いこなしていけば、業務効率化も新しいものを生み出すことも含めて、成果につながっていくのは間違いありません。これは不可逆的な変化で、使いこなしていくべき技術です。まずは使ってみることにトライしていただきたいと思います」と提言した。

 ただ、個人で色々試してみても、それが組織全体の成果につながらなければ大きな効果は認められない。こうした組織での定着を担うような立場の人には、こうアドバイスを送る。

 「トップダウンで指示だけ出したり、発信だけしたりするのではなく、実際に利用者の横で、現場に寄り添って使い方を考えたりレクチャーしたりする役割の人を任命していくことが有効です。こうした取り組みによって、皆さんの企業における生成AI活用は大きく進むと思います。活用のサイクルが回る仕組み作り・環境作りをぜひ検討してみてください」(麹池氏)

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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