「IoTのソラコム」から「社会のOS」へ 10年で海外売上45%を遂げたCEOの“IoT×AI戦略”
ソラコムが提唱する「リアルワールドAIプラットフォーム」の真価
丸紅・スズキなど大手企業とも提携、次の10年で目指す姿とは
IoTインフラのプロバイダーからさらなる成長を目指すソラコムの姿勢は、積極的な資本提携やM&Aにも表れている。2025年には丸紅グループとの戦略的提携を発表し、新会社「ミソラコネクト」を連結子会社化した。
この提携は、互いの強みを補完しあう理想的な関係にあるといえる。ソラコムが「モノ向け・クラウド対応」を得意とする一方、丸紅グループとの新会社は「ヒト向け・オンプレミス」やモバイルワーカー向けの通信に強みを持つ。さらに、丸紅が保有する鉱業・農業・電力といった広範な産業資産へのアクセスが可能になることで、ソラコムの技術が適用されるフィールドの拡大が期待できる。
また、自動車産業におけるコネクティッドカー向け通信プラットフォーム「IRIGATE」の展開や、スズキが開発中の多目的電動台車「MITRA」を基盤とした、ロボットのソリューションにおけるスズキとの連携など、移動体通信の分野でも各社との協業により実績を積み上げている。これらは単なる通信回線の契約数増加だけでなく、それぞれの産業の深い部分に、ソラコムのプラットフォームを浸透させることになる。
玉川氏は「IoTとAIを組み合わせることで、少子高齢化による労働力不足などの社会課題を解決し、より良い未来を創造できる」と主張する。そして次の10年、ソラコムは「IoTのソラコム」から、現実世界のあらゆる事象をデジタル化し、AIの力で変革する「社会のOS」へと進化を遂げようとしている。
ソラコムが次なる10年で社会のOSとなるためには、「技術の民主化」を「現場の自律化」へと昇華させ、提携パートナーの産業基盤をテコに社会のレガシー領域へAIを実装できるようにする。今後はそういったことに注力すべきだろう。
ソラコムのソリューションで、物理世界のあらゆる事象をデジタルにつなぎAIと融合させる。そのためのプラットフォームとしての信頼性と汎用性を高め続けられれば、結果として日本の労働力不足の解決にもソラコムが貢献することになりそうだ。
この記事は参考になりましたか?
- 週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧
-
- 「IoTのソラコム」から「社会のOS」へ 10年で海外売上45%を遂げたCEOの“IoT×...
- 2026年はAIエージェント「実行」の年へ UiPathが説く、7つのトレンドと日本企業の...
- 有事でSlackもTeamsも使えない、通信手段は? 米国防総省も頼る米Mattermos...
- この記事の著者
-
谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
