ソリューション例1 仮想化によるコスト削減
SANmelodyの導入によって、短期から長期までさまざまな面でコスト削減効果が実現できる。
その1:リソースの有効活用
Thin Provisioning Optionの使用により、プールを使ってリソースを共有し、ストレージリソースをより有効活用できるようになる。この機能によって、一般的に40%以下と言われているストレージの使用率を80%前後まであげることが可能になる。
コスト削減の要因は、他に2つある。
- リソースプールの定義が複数できるため、部門やストレージのコストやパフォーマンス等、さまざまな管理単位に分けて使用可能になる。
- データ増加にあわせたオンラインでのリソース追加が可能なため、年々容量単価が下がるストレージを時価で導入できる。結果として全体のストレージコストが下がる。この機能は特に蓄積型のデータに効果を発揮する。
その2:投資資産の有効活用
SANmelodyは、Windows OSに対応しているストレージであれば、SANmelody配下で使用することが可能である。この特徴は、要件の合わなくなったストレージをバックアップ領域で使うなど資源の再利用を可能にする。また、SANmelodyサーバには一般的なIAサーバを使用する。そのため要件が合わなくなれば、別の用途に使う事も可能である。汎用的なIAサーバを使った、オープンなストレージプラットフォームであるSANmelodyは、一度投資したハードウェアの有効活用を可能にする。
その3:省電力、省スペース
ストレージ使用率の向上は、そのままHDDやストレージ数の削減につながる。これらの削減効果は、電力やスペースに直接影響する。通常のディスクドライブは、1時間駆動するのに電力を25~35ワット、冷却にほぼ同じ量の25~35ワット、平均で合計ほぼ60ワットを消費する。これを1年間で計算すると、1ディスクあたり60(ワット)×8760(時間/年)という式で、1台のディスクあたり525KW/年となる。1キロワットあたり20円とすると、1枚のディスクあたり、年間およそ10,500円の節約ができる。
ソリューション例2 仮想ボリュームの複製
Snapshot機能によってソースボリュームへの負荷を抑えながら、大容量のボリュームを非常に短時間で複製できる。
その1:高速バックアップ
近年、バックアップは24時間運用やデータの増加などによって、非常に難しい運用を迫られている。Snapshot機能を利用すると非常に短時間で複製ボリュームを作ることができる。例えば、スナップショットボリュームからテープバックアップを行う事で、ソースボリュームへの影響を最小限にすることが可能となる。他の例では、スナップショットを複数セット組む事で世代管理の管理を可能にするケースも多い。
その2:テスト・開発環境での利用
スナップショットボリュームは独立したフリーなボリュームのため、さまざまなサーバにマウントして利用することができる。最も多いのは、バックアップサーバへのマウントである。テープバックアップをスナップショットボリュームからとることによって、時間や負荷の考慮が不要となる。
また、他のサーバにマウントするとOSのセキュリティパッチや、アプリケーションのバージョンアップなどの確認が容易になる。そのため、さまざまなテスト・開発環境で利用されている。
その3:仮想サーバのバックアップ
大規模なサーバ仮想化環境下でのバックアップは非常に難しい。仮想マシン単位でバックアップを検討するのは非常に煩雑だからである。スナップショット機能を利用すると、仮想サーバのファイルシステムを丸ごと、カプセル化された仮想マシンのイメージファイルで複製することが可能になる。同一ボリューム内の仮想マシンのイメージファイルはすべて同時に複製を取れるため、容易なバックアップを実現する。ただし、アプリケーション側で静止点が必要な場合は、その考慮が必要となる。
その4:テンプレート化したボリュームの複製
他にはSANブート構成などで、システムイメージをテンプレート化し、スナップショットで複製する利用法もある。