RHELはそのまま、サポートだけSUSEへ──みずほ銀行が移行ゼロで断ち切った、レガシー運用のベンダーロックイン
「SUSECON 2026」 みずほ銀行インタビュー
移行しない今だからこそ、攻めに回れる──10年ロードマップが描く、ベンダーロックインなき未来
──今回のアワードはMLSが「ブリッジ」として機能したストーリーが評価されたと伺いました。御行のレガシーシステム移行の中長期的な方向性の中で、MLSの導入はどのように位置付けられるのでしょうか?
森 オンプレミスからの脱却という方向性は変わりません。ただ一部は残るものと考えており、レガシーシステムのモダナイゼーションを2回以内のシステム更改で完了するようマイルストーンを置きながら進めています。MLSはそのブリッジとして、今すぐOS更改しなくてもセキュリティを担保しながら、次のアーキテクチャへの移行を計画的に進められる猶予を与えてくれています。
──SUSEのアワードを受賞したことについて、社内の反応はいかがでしたか。
佐々倉 正直なところ、最初は実感が湧きにくかったです。製品導入というと、通常はシステム更改や機能追加とセットになるものなので、物理的に「何かを作った」感覚がないというか(笑)。エンジニアとしてのやりがいとは少し違う手応えでした。ただ、保守・継続のための守りの投資を前向きな投資に転換できるという意味では、会社として確実に有益な取り組みだったと感じています。
──今後SUSEに期待することをお聞かせください。
森 今回の導入で、Linuxの選択肢が一つ増えました。RHELだけでなく複数の選択肢を持ちながら全体のアーキテクチャを最適化していけると考えています。また、ベンダーロックインの問題が業界で話題になっており、私どもにも影響があります。幅広い選択肢の検討を進めていますので、そうした情報をSUSEから継続的にいただけると非常に助かります。IT投資の多くが守りに費やされているという問題は長年言われてきたことですが、今回の取り組みがその一つの答えとして、同じ課題を抱える企業の参考になれば、と思っています。
こうした現場の取り組みは、グループ全体の方向性とも軌を一にする。みずほフィナンシャルグループは2025年11月、2026〜2028年度の3年間でAI開発に500億〜1,000億円を投資すると発表している。レガシー維持コストの削減によって捻出したリソースを、AIをはじめとした前向きな投資に振り向けるというストーリーは、今回の森氏らの取り組みが示す方向性と重なる。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZine/AIdiverには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail ...
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