ブルボンのコスト4割減を支えたゴウリカの「成果報酬型BPaaS」──DX・AI疲れの突破口はどこに
「ゴウリカ」にリブランディング、そのねらいを岡本賢祐社長に訊く
コア業務への集中を促す「成果報酬型BPaaS」 ブルボンなどの有名企業で成果
ゴウリカが提供する課題解決のアプローチの中核を成すのが「成果報酬型のBPaaS(Business Process as a Service)」という、独自のビジネスモデルだ。近年、クラウドサービスの普及とともにSaaSという言葉は定着したが、BPaaSはソフトウェアだけでなく、ビジネスプロセスそのものをサービスとして提供する形態を指す。一般的なアウトソーシング(BPO)が単なる作業の切り出しであるのに対し、BPaaSはテクノロジーや専門人材を組み合わせて業務プロセス全体を最適化し、継続的に運用・改善していく点に特長がある。
同社は企業における業務を「コア業務」「定型業務」「専門的定型業務」の3つに分類しており、特に生産性のボトルネックとなるのが専門的な知見を必要とする定型的な業務「専門的定型業務」だ。マーケティングにおける販促ツールの制作進行、人事における中途採用のダイレクトリクルーティングなどがこれに該当する。マーケティング領域でいえば、かつては広告代理店などが大規模なキャンペーンと引き換えに無償で請け負っていた業務だが、現在では予算の細分化やデジタル施策の増加により、企業に逆流してきているのが実情だ。
岡本氏は、この専門的定型業務の解決こそが労働生産性向上のカギだとする。
「AIや新しいツールを導入しても、実行部隊として業務を回すことのできる『経験を積んだ人材』がいなければ機能しません。しかし、企業内でこの専門的定型業務を担う人材を育成・維持することは、ジェネラリスト中心の組織では非常に困難です。そこで自社の専門人材を顧客企業に常駐させ、実質的な内製化チームとして専門的定型業務を巻き取るためのBPaaSを提供しています」(岡本氏)

ここで注目すべきは、同社が「成果報酬型」を前面に押し出している点である。新たな業務プロセスや人材を採用する際、経営陣が最も懸念するのはコストの増加だ。プロフィットセンターではないバックオフィス業務に対して、巨額の初期投資を行うハードルはAIの台頭でより高くなった。「経営者からすれば、コストを削減するために投資するということは本末転倒に聞こえます。そこで私たちは、導入前に無料のアセスメントを実施し、確実に業務削減できる余地を見極めます。その上で、実際に削減されたコストの中から一部をサービス利用料金として受け取る仕組みを採用しました。これにより顧客企業は追加のリスクを負うことなく、業務の効率化と高度化を実現できるのです」と岡本氏。この独自モデルが成立しているのは、同社が有する圧倒的な知見とネットワークがあるからだという。
たとえば印刷物に関連する業務では、同社が国内800社以上におよぶ印刷会社のネットワークを用いて仕様の決定から相見積もり、入札システムの運用までを代行可能だ。岡本氏は、「印刷の仕様決めは非常に複雑で、ツールを導入しても簡単に使いこなせません。ゴウリカのプロフェッショナル人材がユーザー企業の中に入り込みながら最適な仕様を組み、透明性の高い入札を行うことで、平均して約35%のコスト削減と約60%の業務効率化を実現しています。これまで事前のコスト削減予測が外れたことはありません」と自信を見せる。こうした確固たるノウハウこそが、成果報酬型BPaaSというビジネスモデルを支える基盤となっている。
ブルボン社と旭化成セラピューティクス社の事例が示す、透明性の担保と内製化
では、ゴウリカが提供する「成果報酬型BPaaS」は、実際のビジネス現場にどのような変化をもたらしているのだろうか。具体的な事例として、顧客企業であるブルボン社の取り組みが挙げられる。
ブルボン社ではかつて、マーケティング部門が独立しておらず、部門設立当初は専門的定型業務が非常に高い割合を占め、社員のリソースを奪っていた。ここにゴウリカの専門人材が入り込み、業務プロセスの見直しとBPaaSの導入を図った結果、大きく効率化を達成している。たとえば、1つの販促ボードを制作するために、以前は社内外で50件ものメールでのやり取りが発生していたがプロセスを整理することで、その送信数をわずか1件にまで削減することに成功した。さらに相見積もりの徹底、最適な仕様の選定などにより、販促関連業務にかかるコストを約4割も削減するという成果を上げている。
同様の導入効果は、製薬業界である旭化成セラピューティクス(旧 旭化成ファーマ)でも見られる。同社ではMR(医薬情報担当者)向けの資材(医薬品の概要やガイドラインなど、プロモーションに係るコンテンツ)制作において、各担当者が抱える案件数の多さから進行管理が複雑化し、複数の資材制作が重なると納品に約1ヵ月もの遅れが生じていた。しかし、ゴウリカの専門人材が制作ディレクションから印刷の手配までをサポートし、案件管理ツールでスケジュールを可視化したことで、同時進行できる案件数が増加。現場からは「1.5倍以上の業務量をこなせている」との声が上がっている。さらに、最適な制作会社の選定や細やかなコスト交渉により“予算の最適化”が進み、浮いたコストで新たな販促施策にも積極的に取り組める体制となった。
また、ゴウリカが介在する価値は単なるコストダウンにとどまらない。アウトソーシングにおける最大の罠は「業務のブラックボックス化」を招くことである。外部に業務を丸投げすることで、どのようなプロセスで、なぜそのコストが発生しているのかが見えなくなり、結果的にベンダーロックインに陥りやすい。岡本氏は、「専門的定型業務をアウトソーシングしてしまえば、コントロールが利かなくなります。われわれのサービスは、専門家がお客様の『隣』にいて、なぜこの仕様が良いのか、どうすればもっとコストが下がるのかを提案します。価格やプロセスの透明性を徹底的に高く保つことで、外部企業でありながらも実質的な内製化チームとして機能するのです」と述べる。この内製化を支えているのが、各領域に特化したジョブ型のスペシャリスト人材だ。ジェネラリスト中心の日本企業では育成が難しい、高度な専門人材を業務プロセスに組み込めるからこそ、業務の透明性と高い生産性を両立させられるという。
この成果報酬型BPaaSのアプローチは、HR領域でも同様の成果を生み出している。現在、多くの企業が中途採用において人材紹介エージェントに大きく依存しており、高額な紹介手数料に悩まされている。しかし、自社でダイレクトリクルーティングを行うにしても、そのノウハウを持つ人材が人事部にも事業部にも不足している状況だ。ゴウリカはここに採用のスペシャリストを常駐させ、候補者へのアプローチから事業部との連携、面接の調整までをチームの一員となって請け負う。これによりエージェント経由の採用を直接採用に切り替え、削減できた採用コストの一部を報酬として受け取る仕組みを構築している。
そして、顧客企業から最も高く評価されているのは、実はコスト削減以上に「社員のマインドの変化」だ。膨大な専門的定型業務から解放され、新たに生まれた“考えるための時間”は、社員の育成やコア業務に充てられている。「業務効率化が進むことで、社員自身が働きがいを感じ、自社の企業理念や戦略について深く考える余裕が生まれます。スキルだけでなくマインドの醸成にまで寄与できること、これこそが最大の価値だと考えています」と岡本氏。業務の透明性を担保しつつ、社員の意識変革までを促すアプローチこそがゴウリカの強みだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:ゴウリカ株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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