2026年7月8日、Coupaは事業戦略説明会を開催した。
Coupaは支出監理プラットフォームを提供する企業。2006年に米国で創業され、2021年より日本法人を立ち上げて日本市場でも本格展開をしている。2025年5月に日本法人 代表取締役社長に就任した反町浩一郎氏は、「外部環境が大きく変化する中、支出管理という領域は自社でコントロールしやすく、即効性が高い」と話す。欧米企業は、歴史的に支出管理に取り組んできた一方、日本企業では進展が遅い領域だ。同社によれば、欧米市場との比較では市場浸透率は約30%と低いものの、エンタープライズ企業での採用が増えており、日本市場は昨年対比151%の成長率だとした。
日本法人が成長している背景には、レガシーシステムの刷新需要やサプライチェーンに係る規制強化、AIエージェントによる自動化の推進などがある。
また、パートナーエコシステムの拡充にも注力しており、売上3000億円未満の中堅企業に対してもリセラーモデルを核として導入を進める。従来、注力してきたエンタープライズ企業では、トップ300社への認知拡大が進んだことから、800社へとターゲットを拡大。シェア拡大を図りたい中堅企業においては、運用やBPOを一体としたサービス提供で、リソース不足などに悩むユーザー需要を拾っていくねらいだ。
そうした状況下、Coupaは支出管理プラットフォームとしてのSaaSではなく、「Agentic as a Service」として“自律型”支出管理プラットフォームへと製品を進化させていく方針だ。直近、Scoutbee、Cirtuo、Rossum、Tonkeanなどを買収しており、AIエージェントを核とした製品へと強化を図っている。
同社は、調達・購買業務における成熟度モデルを下図のように4段階で定義しており、機械学習やディープラーニングだけでなく、AIエージェントを用いた製品で日本企業の成熟を後押ししていくとする。
「われわれは10年前からAIに取り組んでおり、データの蓄積が強みになる」と反町氏。具体的には、下図のように複数のアプリケーションを展開。それらを統合する形でユーザーの業務支援を担うAIエージェント「Coupa navi」を設ける。たとえば、単一のサプライヤーへの依存リスクが高まっていることを教えてくれたり、リスク分析や価格変動の予測などを代替したりするという。そして、「Coupa Compose」という層が核となり、ノーコードでのAIエージェントの構築、AIエージェント群のオーケストレーション、外部連携などを担う。
たとえば、ソーシング業務においては、ソーシングイベントの作成、サプライヤーの開拓、比較と3つのAIエージェントが稼働する。ユーザーは、要件を精査した上で自然言語で投げかけるだけで、イベントが自動作成され、Coupaに蓄積されたデータから優良なサプライヤーが提案され、入札要件やドキュメントから比較表が生成されるという。Coupa 山田由香里氏は、「Coupaが提供している究極の価値は、集合知である『Network Effect』だ。1600兆円規模のデータからインサイトを抽出しながら、AIが継続的に進化している」と述べた。
なお、Coupaでは、2026年7月24日に年次カンファレンス「Inspire Tokyo 2026」を都内で開催予定だ。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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