メール配信に求められる「信頼性」は十分か?企業のDMARC運用が失敗するワケとBIMI導入の勘所
安易なポリシー引き上げが招くトラブル DMARC運用における「現場とのギャップ」問題
セキュリティ対策の証左となるBIMI 導入までには高い「壁」が
DMARCのポリシーを安全にquarantineまたはrejectにまで引き上げた企業が、「BIMI」の導入に進むことができる。BIMIとは、認証された正規のメールの受信トレイに企業の公式ブランドロゴを表示させる、視覚的なブランド認証の最新仕様だ。
ECサイトなどのブランディングやマーケティングとしての意味合いも強いBIMIだが、この技術の核は「強固なセキュリティ対策を講じている証」という点にある。BIMIが表示されているということは、SPF・DKIM・DMARCといった送信ドメイン認証を適切に実装しているドメインからのメールであることを意味するからだ。つまり、なりすましメールではないと受信者が一目で判断する材料になる。
ただし、BIMIを実際に導入するためのハードルは高い。一般的なBIMI運用では、DMARCのポリシー要件を満たすだけでなく、メールボックスに表示させるロゴマークが、ドメイン所有者である組織が対象国で商標登録しているロゴでなければならないという厳格なルールが設けられているからだ。商標登録をしていない場合は出願から始める必要があり、さらに認証マーク証明書(VMC)の取得・維持には決して安くない年間コストがかかる。こうした手間やコストは、多くの企業にBIMI導入の“現実的な難しさ”として立ちはだかっていることだろう。とはいえ、大量のメールを送信するエンタープライズ企業において、このコストは十分に採算が取れるものだと田中氏は語る。
「いつも届いているメールにロゴマークがあり、それがなければ“怪しい”とユーザーが直感的に判断できる安心感は大きいでしょう。メールマーケティングにおいて件名の工夫で開封を促していた時代から、パッと見のロゴによって、開封や信頼のきっかけを作れる時代へシフトしています。長期的に自社のドメインをブランドとして育てていくための投資は、確実に企業の資産になります」(田中氏)
さらに藤田氏は、実務的なメリットとしてGmailアノテーションの活用にも言及。DMARCのポリシーをrejectに引き上げることで、Gmailのプロモーションタブなどで送信側から画像やオファー情報をコントロールして差別化を図るアノテーションの活用もしやすくなり、マーケティングの効果も高くなるという。加えて、導入後の運用面で大きな壁となるものはない。だからこそ、まずは「導入」というハードルをクリアする必要がある。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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