今回は、可用性を高めるために各ディスク装置に備わっている高速コピー機能の使われ方や種類を紹介する。(1はこちら)
架空カップル型のポインター・コピー方式
ポインター・コピー方式は登録簿のようなものを用意し、データの書かれた位置をポインターとしてこの登録簿に記録し、高速コピー機能を起動したときはこのポインター情報のみを記録上移動させることで高速にコピーを完了させる方式である。
つまりコピーした時点では実質的なデータ容量は一切増えないしデータの物理的な移動も発生しない。しかしユーザーから見ると2つのディスクの内容は全く同じなのだ。実際に2人いないのに2人いるように見せているのでここでは「架空カップル型」と呼ぶこととする。
当然ではあるが片方に更新がかかると、2人の間に異なるデータができてしまう。これに対処するために、通常は特別なエリアが事前に用意されており、そこに変更前のデータを退避させるような仕組みを用意しておく。変化(書き込み)が生じたときに初めて古いデータを退避エリアにコピーして移動させるため、この方式はコピー・オン・ライト(Copy on write)方式とも呼ばれている(図5-5)。

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佐野 正和(サノ マサカズ)
1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...
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