架空カップル型のポインター・コピー方式
ポインター・コピー方式は登録簿のようなものを用意し、データの書かれた位置をポインターとしてこの登録簿に記録し、高速コピー機能を起動したときはこのポインター情報のみを記録上移動させることで高速にコピーを完了させる方式である。
つまりコピーした時点では実質的なデータ容量は一切増えないしデータの物理的な移動も発生しない。しかしユーザーから見ると2つのディスクの内容は全く同じなのだ。実際に2人いないのに2人いるように見せているのでここでは「架空カップル型」と呼ぶこととする。
当然ではあるが片方に更新がかかると、2人の間に異なるデータができてしまう。これに対処するために、通常は特別なエリアが事前に用意されており、そこに変更前のデータを退避させるような仕組みを用意しておく。変化(書き込み)が生じたときに初めて古いデータを退避エリアにコピーして移動させるため、この方式はコピー・オン・ライト(Copy on write)方式とも呼ばれている(図5-5)。