毎年、アメリカで開催されるアジャイル開発最大級のカンファレンス「Agile Conference」。今年は「本物に会える場所にIT技術者を目指す学生を連れて行きたい」という理念に賛同した有志による派遣プロジェクトが実行されました。企業や個人など多くの方々による支援の下、ポジションペーパーによる選考を経て、Agile2010に派遣された、私、細澤あゆみが企画の発案者である株式会社QUICKの川口泰伸さんとともにイベントをふりかえります。
本番は夜から!? 眠らないアジャイルの祭典「Agile2010」
「アジャイル関連の最大のイベント『Agile2010』にもっとたくさんの日本人を送り込もう!」という目的の下、有志の支援を受けて今回派遣されたのが細澤さんだったわけですが、、、まずは参加してみてどうでしたか?
5日間、本当に楽しかったです!今年は38カ国1400人の参加だったそうなのですが、そのような大規模なカンファレンスに参加したことがないので、数に圧倒されました(笑)。毎年、参加されているアジャイル上級者の川口さんから見て、今年のカンファレンスの雰囲気や内容はどうでしたか?
雰囲気は昨年以上だと思いました。盛り上がりが年々増しているようにも感じるので、来年も楽しみです。ただ、会場変更の影響だと思いますが(※)、4日目のバンケットで基調講演できなかったのは痛かったですね。
それから、セッション終了後に毎日のように催される飲み会の影響かもしれませんが、最終日はちょっと人が少なめでしたね。私自身はみなさんについていけませんでしたが(笑)、きっと夜も楽しかったんだろうと想像しています。
当初予定されていたナッシュビルが洪水で会場となるホテルが利用できなくなったため、急遽オーランドに変更になった。
参加前から「本当のセッションは夜からだ!」と聞いていたので、気合いを入れて臨みました(笑)。実際に、昼間のセッションよりも夜の方がたくさんの人たちと深い議論ができましたね。結局5日間、夜はほとんど寝ていません。
夜が本番だとは言いましたが、寝るなとは言ってないです(笑)。どんな話で盛り上がっちゃったんですか?
今、私は研究室のプロジェクトでPMを任されているので、「PMとは何か?」と問いかけてみたり、「なぜこのカンファレンスに参加しているのか?そのモチベーションはどこにあるのか?」と聞いてみたり。
参加者の多くはコーチングやコンサルティングを普段の仕事にしている人たちで、学ぶというよりも仕事のネタを探しにきていました。だから、とても意識が高いんです。お話をさせていただいてとても刺激になりました。私の拙い英語にも真摯に耳を傾け、回答する姿勢も勉強になりました。もちろん、日本からの参加者ともたくさんお話しましたよ。
日本人と話すことも価値があるんですよね。 日本からだけでなく、米国や欧州に在住のエンジニアの人もいます。みんな、自分から「ここに来たい」と考えて、費用を工面したり、会社を説得したりして、なんとか時間を作って、ここに来てる。
「会社が行けっていうから来ました」なんていう人は一人もいないわけです。ここにあるのは、年に一度だけの密度の濃いコミュニティ。そういう人たちと話せるだけでも、すごく勉強になるんじゃないかな、って思います。
確かに。欧米出身の日本在住のエンジニアの人もいましたね。文化も背景も違う人たちが、同じテーマで真剣に夜通し議論している姿はかっこいいなと思いましたし、私も早くその中に入りたいです。(次ページへ続く)