SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門

IPがあれば大丈夫~IPを利用したストレージとSAN(1)

第8回

 コモディティ化した技術であるIPを利用したストレージ・ネットワークに注目が集まっている。今回は「IP SAN」の種類と特徴を解説する。(後半はこちら)

ストレージ・ネットワークにIPを利用するメリット

 ファイバーチャネル(FC)を利用したSANが脚光を浴び、普及の兆しが見えた頃、ストレージ・ネットワークの構築にFC技術を利用するのは考え物だという意見が挙がった。このような意見が出た背景には、FCはそれまで使われてこなかった新しい技術であり、新技術に対する不安があったのと同時に、既に普及していたIPを利用するネットワーク技術が何故ストレージ・ネットワーク構築のために利用できないのかという素朴な疑問も含まれている。

 確かに既に確立された技術であったIPネットワークをそのままストレージ・ネットワークへ応用するほうが、ユーザーのネットワーク管理の負荷軽減と言う観点ではメリットがある。これは「2つのネットワークの管理」というお題目でIPネットワーク派の皆様が当時よく取り上げた課題点である。ストレージ・ネットワークにIP技術を利用するメリットには図8-1にも示すように以下のようなものが挙げられる。

  • 調達コストが安くできる
  • 既に保有しているスキルを活用できる
  • 既存のIP機器など施設を活用できる
  • 接続距離制限がない
図8-1 IPを活用したSANのメリット
図8-1 IPを活用したSANのメリット

種類が豊富で価格が安いIP機器

 ファイバーチャネルは新しく世に出た技術であったため、機器を製造するメーカーも少なく、IP機器に比べると製品価格は相対的に高いものであった。これに対してIP機器を製造するメーカーは多く、かつ世界中に存在するため、製品は豊富に存在し、価格的にも廉価なものが数多くある。

 よく話のネタで引き合いに出されたのは100Mbitイーサネット・カードとLANで使うハブの価格だ。例えば100MbitイーサネットのNIC(ニック:Network Interface Card)を東京の秋葉原や大阪の日本橋で探すと、千円でおつりが来る値段で販売されており、よりスピードの速い1GbEのNICであっても、数千円で購入できる。かつLAN用のハブも、これまた安い物であれば数千円~1万円以下で手に入る。これに対してFC SANの構築を行なおうとすると、ネットワーク機器費用が数十万円を下ることはまずない。時には数百万円、数千万円かかることもザラである。1万円以下でFC用のHBA(Host Bus Adapter)カードを探すことは非常に難しい。第一、FC用のHBAカードを秋葉原の電気店で探すこと自体至難の業であろう。

次のページ
IPなら新たなスキルの習得が不要

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

佐野 正和(サノ マサカズ)

1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/291 2008/02/15 12:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング