復旧から復興へ動く仙台
仙台の他のIT企業はどうだろうか?佐々木氏によれば、社員の安否の確認も済み、物理的な損壊もほぼないという。ただ、3月11日というタイミングで、ハードは納品しているが、検収がもらえないといった宙ぶらりんの状態が生じているとのこと。こうした状況が、今後の経済復興に大きくのしかかってくるのではないかと、佐々木氏は見ている。
「仙台のIT企業は、規模がそれほど大きくなくて、受託開発や技術者派遣でやっている企業が多い。地方のIT産業はただでさえ苦しいのに、今回、仙台市内は必要以上にダメージを受けたと思われているようなフシがある。仙台は流れたか、沈んだんじゃないかと思われることもあった。よく言えば心配してくれているんですが、悪くいえば、仕事どころじゃないよねっていう過剰な想像をされているようです。迷惑をかけてはいけないから、仙台には行かないほうがいい?と言う声もあるようです。いわゆる自粛系ですよね。確かに最初の1週間はそうでした。でも今や、物流も戻った。仙台の課題は復旧から復興へ、大きく動きはじめています。仙台に関して言えば、もはや出張にもどんどん来てほしいわけで、今回こうして皆さんに来て頂いたのは非常に嬉しいことです」
仙台はUターンの受け皿として、優秀な人材がとりやすい。優秀な技術者を集めて、下請け、孫請けではない仕事を仙台で受けること。「まずは、仙台の企業が元気に!」―佐々木氏が現在掲げるスローガンだ。今後も、仙台の企業だからできることを粛々と続けていくという。