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IPアドレス枯渇直前対策

IPv6導入前に知っておくべき3つのポイントと注意点

第3回

IPv4アドレス枯渇をテーマにした本連載も第3回目を迎える事となった。すでにIPv4アドレス枯渇は現実のものとなり、筆者の周りでも当たり前のように、IPv6というキーワードを聞くようになった。今回は、これからIPv6導入を検討するにあたって、知っておくべきIPv6の特徴と、導入する際の注意点について記載する。

IPv6の最低限知っておくべき3つのポイント

 IPv6を導入する上で、最低限知っておくべきポイントを3つ紹介する。

1.膨大なアドレス数  

 IPv6は約340潤という途方もない数のアドレスを管理する事が可能だ(図1)。潤という桁が存在する事を初めて知った人も多いだろう。兆や京も超える遥かに桁数であり、IPv6を地球上の砂粒1つ1つにアドレスを振っても枯渇する事はないと言われている。そのためIPv6を利用する事で、アドレス枯渇は実質無縁になると言われている。

図1:IPv4とIPv6のアドレス数の違い

2.IPv4とは異なるプロトコルである。   

 意外と知られていない事実であるが、IPv4はIPv6と異なるプロトコルである。名前が似ているため、上位互換等と勘違いされていることも多い。その違いを知ってもらうためIPv4とIPv6のプロトコル構造の違いを図示する(図2)。上半分がIPv4であり、下半分がIPv6のプロトコルヘッダである。なお、この連載では、細かなヘッダの詳細部分は解説しないため、そういった部分に興味のある方はWikiPedia等を参考にして欲しい。  

図2:IPv4とIPv6のヘッダの違い

3.16進数で表記するアドレス   

 IPv6では、扱えるアドレスがIPv4の32bitから128bitへと大幅に増加したため、アドレスの表記方法がIPv4から大きく変更された。特に重要な変更点が2つある。1つは、アドレス表記が従来の10進表記から16進表記に変わったことだ。IPv4では数字だけで表記されていたが、IPv6では数字と英字を両方使う。 

IPv4 10.1.1.1  数字のみ(10進数)
IPv6 2001:0db8:0000:0000:1234:0000:0000:0abc  英数字混在(16進数) 

 もう1つは、扱えるアドレス数が膨大になったことで、アドレス表記が長くなった。少しでも表記を楽にするために、アドレス表記を省略するルールが用意されている。下図にアドレス表記ルールをまとめた物を記載しておくので参考にして欲しい(図3)。

図3:アドレス表記ルール

 これらの特徴の中で、最も重要な点は、その膨大なアドレス数であり、IPv4アドレスが枯渇した今、インターネットはIPv6へ長い時間をかけて切り替わっていこうとしている。(次ページへ続く

次のページ
IPv4とIPv6の比較

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この記事の著者

大元 隆志(おおもと たかし)

ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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