後発でチャレンジャーという強み
最後に、コストに大きく影響するGreenplumのライセンス体系について触れておきたい。Greenplumのライセンスの考え方は、極めてシンプルだ。価格はDWHのデータボリュームの大きさによって決まる。これであれば、たしかにスモールスタートはやりやすい。とりあえずは既存マシン環境を利用し小さく始め、どこかのタイミングでハードウェアを新しくて高速なものに変更する。変更しただけなら、その時点でGreenplumのライセンス費用は増加しない。

DWHが成長しデータボリュームが増えれば、それに応じライセンス費用も増えるのだ。これならば、拡張計画は立てやすいだろう。また、繁忙期だけCPUリソースを追加しても、ライセンス費用は増加しない。このデータボリュームに応じた価格というあたりは、さすがに元々がストレージベンダーのトップ企業ならではのことと思えるところだ。
この他にも、Greenplumにはオープンソースソフトウェアをベースにしていたり、ソフトウェアだけでなくアプライアンスでも同じ仕組みを提供していたり、はたまた非構造化データを取り込むためのHadoopに対応した機能を提供していたりと、後発製品ながら興味深い部分も多数ある。むしろ後発なので、チャレンジャーという立場を多いに利用でき、既存市場を守らなければならない老舗ベンダーよりも大胆に動くことができるのだろう。そのことが、マーケティング上はEMCにとって有利に働くかもしれない。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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