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Interview

日本のクラウドが進むべき方向性とは?

業界キーパーソンが本音で語る座談会


「クラウド」という言葉がブームになってから早三年。その間、企業情報システムの現場におけるクラウド活用の実績も蓄積されつつある。今、ユーザー企業はどのような課題に直面し、どのような解決策を求めているのか。今後、クラウドはどのような方向に向かおうとしているのか。国内で数多くのクラウド案件を手がけるキーパーソン達にクラウドの今を聞いた。

ハイブリッド・クラウドこそがクラウドの本命である

荒井

今日、お集まりの皆さんは、いわゆるハイブリッド・クラウド、マルチ・クラウドに関する取り組みをされています。昨今、同分野に関する取り組みが大変注目を集めているようにも思われます。

一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)  代表理事 荒井 康宏 氏
一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)
代表理事 荒井 康宏 氏
鈴木

米国では、ある程度以上の規模のシステムでは、複数のパブリック・クラウドとプライベート・クラウドを組み合わせたマルチ・クラウド環境が最適解ではないかという考えが主流になりつつあります。従来は、両者が二項対立の図式で語られることが多かったのですが、スケーラビリティやフレキシビリティという面で突き詰めるとプライベート・クラウドはそれほど経済的なソリューションではありません。

 

ただし、パブリックにも問題はあります。ある程度以上の規模で継続的に利用する場合、オンプレミスでインフラを持った方が安くなってしまうケースが見られます。ただし、パブリック・クラウドで運用していたアプリケーションをオンプレミスの環境に移行するのは大きな手間です。そこで、社内にパブリック・クラウドと同様の環境を持つというアイディアが出てくる。そうすることでアプリケーションの柔軟な配置を可能にします。

雲屋株式会社 取締役会長 鈴木 逸平 氏
雲屋株式会社 
取締役会長 鈴木 逸平 氏
(※米国からSkypeで参加)
荒井

そうですね。プライベート・クラウドをクラウドと呼ぶべきかという議論は以前からありました。オンデマンド性がなく初期投資も必要になるのでクラウド本来のメリットを享受できないというものですね。ある面でその批判は当たっています。自動化や稼働率、ユーザビリティの面でのメリットはありますが、コスト面での恩恵は必ずしもありません。

 

自分は、パブリック・クラウドがあってのプライベート・クラウドだと考えています。パブリック・クラウドと連携できる基盤を企業内にも持つことでセキュリティやガバナンスに対応し、必要に応じて適時アプリケーションやシステムの一部分をスケーラビリティやオンデマンド性に優れたパブリック・クラウドに柔軟に配置することができるわけです。

北瀬

ただ、必ずしもそこに至るまでの道は確立されているわけではありませんよね。ここに集まっているメンバーの間でもそれぞれ方法論は違っているでしょう。パブリックへの移行のステップとしてプライベートを用意する場合もありますが、パブリック・クラウドに一挙に移行したは良いが、途中で失敗したことに気がついてプライベート側に戻したら、たまたまハイブリッドになったということもあり得ます。

荒井

パブリックからプライベートに移行する。プライベートからパブリックに移行するというのは非常に健全だと思います。両者はビジネスの規模やフェーズ、システムの特性や要件に応じて使い分けるべきものです。例えば、まずはパブリック・クラウド環境で動かしてみて、システムの性格が分かってきたところで最適な基盤に配置しなおすというのはありですよね。

北瀬

どのクラウドを利用するかという点には政治的な要素も絡んでくるでしょう。ある時期は国産メーカーのサーバーが一挙に導入されたかと思えば、ある時期は海外メーカーのサーバーが大量に入ってくるなんてことは、これまでもよくありました。そういった意味でも複数のクラウドが混在した環境を管理、運用するための仕組みは注目されるかもしれませんね(笑)

 

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この記事の著者

緒方 啓吾(編集部)(オガタ ケイゴ)

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