INTARFRM適合資産に変身させてモダナイゼーション
“モダナイ”アプローチでは、既存資産を継続して利用するためにアプリケーション形態を組み替える「モダナイゼーション」を実施する。富士通やIBMなどのホストやオフコンの幅広いプラットフォームを対象としたアプリケーション資産に対して、オープン化やクラウド環境への移行、COBOL、RPG、VBなどの各開発言語に対応した移行などを選択できる。ここは、ミドルウェア以下の変更を吸収し、アプリケーションのライフサイクルを延長する富士通のアプリケーション・フレームワーク INTARFRMを利用するケースを見よう。まずは、既存アプリケーションを抽出・分解。その後、業務ロジック部分と項目情報・リレーション情報に仕分ける。業務ロジックに変更がない場合は、そのまま新しいアプリケーション環境に移行する。アプリケーションなどから項目情報、リレーション情報を抽出し、INTARFRMリポジトリに格納。必要に応じて標準化を行い、INTARFRM機能に対応した自動生成やドキュメント生成を可能にする(図2)。
運用保守に関しては“持たない”こともできる
最後の“持たない”アプローチでは、アプリケーション運用保守の要員とプロセスをアウトソーシングすることでICT投資の適正化を図る。一般に、ICT投資に占める新規システム開発と既存資産の運用保守の割合は3:7とも2:8とも言われてきた。いわば、既存資産を守ることに追われて、攻めに必要なコストを捻出できないという状況だったわけだ。
そこで、富士通が提案するのが“ 持たない” という選択肢だ。運用保守プロセスを整備し、オフショアを含めた運用保守要員のアウトソーシングを行うほか、問い合わせ対応管理やアプリケーション構成管理ツールの採用により属人化を防いだアプリケーション運用保守プロセスを確立する。実施計画の策定に先立って詳細な現状調査・分析を行った後に、サービス要件の検討や解決すべき課題の明確化を行い、解決策を提示する。運用保守体制を変革することで、コスト削減や情報共有、ノウハウの整備・継承の実現を目指す。
「利用するにつれて内部が複雑化していくのがアプリケーションの宿命。しかし、一度きちんと解きほぐしてINTARFRMに移行すれば、その後は複雑化の心配をすることなく、長期間にわたって利用することができる。もちろん、クラウドへの移行も可能だ。アプリケーションのモダナイゼーションは企業の機動力を増幅させる有効な仕組みだ」。