バックボーンネットワークとサービスのIPv6対応は?
前述の通り、さくらインターネットは将来的にはデュアルスタックに対応するが、当面はIPv4とIPv6を別々のバックボーンネットワークとして構築、相互の接続はトランスレータを介して行うという方針を打ち出している。ただしデータセンター内のネットワークはエッジルータをデュアルスタック対応のものに変えるなどしてデュアルスタック化を図っていくという。
また同社のIPv6ユーザに向けて、トライアル(無料)で6rd(IPv6 Rapid Deployment)を利用したIPv6接続サービスを提供している。ユーザは利用中のサーバに6rd設定を行うだけで、同社のIPv6ネットワークに接続することができる。OS入れ替えなど、コストがかかるオペレーションをしなくても簡単にIPv6を試すことができるので、IPv6への対応を検討中の企業には最適なサービスだろう。
「データセンター事業者にとってIPv4枯渇問題が深刻なのは、それが解がない問題だから」と大久保氏はその厳しい現状について語る。しかし、現実にIPv4アドレスは尽きてしまった。データセンター事業者はその事実を受けとめ、現在のIPv4サービスも継続していくためにあらゆる策を講じるとともに、できるだけ早期のIPv6全面移行が望まれるところだ。

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五味明子(ゴミ アキコ)
IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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