Oracle Enterprise Managerはgからcへと進化した
2011年11月10日、日本オラクルはOracle DBA & Developer Days 2011と併催する形で、最新版となるOracle Enterprise Manager(EM) 12cのラウンチイベント「Oracle Enterprise Manager Forum」を開催した。
基調講演のステージに登壇したオラクル・コーポレーション バイスプレジデント Applications and Systems Managementのレン・タン氏は、「クラウドコンピューティングでは、ビジネスユーザーにある程度の権限を与えることになります。そのような状況下であっても、IT管理者はシステムを的確にコントロールしていかなければなりません」と語る。
クラウドのサービスではセルフサービスの形でユーザーがリソースを要求し、配布されて利用することになる。そうなるとシステムがどのように使われるのか、すべてをIT管理者が事前に把握することは難しくなる。そのような状況下にあっても、システムを安定的に運用し、ユーザーが性能面などでも不自由なく利用できるようにしなければならないというわけだ。
この難しいコントロールの実現をサポートするのが、最新版の統合管理ツールであるEM 12cだ。本格的にクラウドに対応したことで、11gで提供していたグリッド・コントロールはクラウド・コントロールと呼ばれるようになり、クラウド環境をライフサイクルで管理できる機能も新たに追加された。その結果、バージョン表記もgridの"g"から、cloudの”c”へと変化したのだ。
たんにクラウド環境の管理と言っても、対象となる項目は多岐にわたる。クラウド環境を構築するためのサポートもあれば、できあがったクラウド環境を効率的に監視、管理する機能もある。さらには、クラウドコンピューティングのリソースを利用した量に応じ、利用者に対し課金を行う機能も必要だ。これらすべてを網羅するのが、EM 12cということになる。