技術面に加えビジネス面での協業も強化しさらなるシステム運用の効率化を目指す
Invariant Analyzerとの連携だけでなく、EM 12cの新機能や性能についてもNECでは検証を行った。個々の新機能を検証するのはもちろん「NECと日本オラクル両社のエンジニアが共同で、現実的な顧客のユースケースシナリオに基づいて確認作業を行いました」(正木氏)。その結果、Javaのアプリケーションのパフォーマンス分析から始まり、データベース層のボトルネックの特定、対処の実施、結果の確認を行うまでの一連の作業を、EMのコンソールでシームレスに実施可能なことが確認できた。システム分析に関係する新機能や強化の項目がすぐに利用でき、さらにはユーザーインターフェイスの改良もありよりスムースな分析ができたのだという。
そして、なかでも正木氏がよくなっていると感じたのは、ユーザーインターフェイス。
「11gまでは、機能が豊富なものの、データベースやアプリケーションサーバなど管理対象のことをよく理解している人なら使いやすいというインターフェースでした。12cでは、そのユーザーインターフェイスに改良が施され、誰でもEMがもつ豊富な機能を活用できるようになったと感じました」(正木氏)
特に機能間の連携部分が大きく改善されており、それによりアプリケーションからデータベースまでシームレスに分析ができ、問題発見から課題の解決までの時間が大きく短縮できると見ている。
複雑化するシステムの運用監視の効率化を考えた際には、WebSAMとEMが連携することでさらなる価値が発揮できる。たとえば、クラウド環境を実現する基盤としてのニーズも高いExadataについて、市場からの導入の要求が高まりを見せている。一方、顧客の元には従来のシステム環境もあり、それらはすでにWebSAMによって運用管理されている場合も多い。そのような場合に、Exadataを含むOracle製品に対する詳細の運用管理はEMが担い、そのEMとWebSAMが密に連携することでシステム全体についてWebSAMが監視、運用を統括する。このようなクラウド環境の運用効率化を目指す際には、12cの新機能やExadataに関する強化ポイントなどが多いに期待できるという。
「Oracleから提供されるEMのAPIを利用して連携するだけでなく、Invariant AnalyzerやPlug-inなどのように、製品の開発段階から深く協業し、今後より複雑化するシステムの運用の効率化、適正化を促進していきたい」(正木氏)。
特に今後ニーズの高まりが予測される、Invariant AnalyzerとEMの組み合わせで実現する、クラウド環境のリアルタイム性能分析については、ワールドワイドに顧客に展開していきたいものの1つ。そのために、技術面だけでなくビジネス面でもよりいっそう強固な協業体制を築いていきたいとのことだ。