複雑に構成されたシステムの課題に対して、登場したのがOracle Database Applianceです。ソフトウェア・ハードウェア、さらにはクラスタ等の構成まで、事前構成済の状態で使用可能な製品です。エンジニアの観点から、その特徴を見ていきましょう。
複雑に構成された高可用性(HA:High Availability)システムの課題とは?
企業情報システムで求められる非機能要件として、性能・可用性・拡張性・セキュリティといった要件があり、通常のシステム構築では、この要件に基づいて、ハードウェア・ソフトウェアの設計・導入・テストといった工程を行います。
企業情報システムで求められる非機能要件を満たすためには、特にデータベースの高可用性構成の検討が重要です。しかし、従来の工法を用いた場合、ハードウェア・ソフトウェアの組み合わせ、3rd Partyクラスタウェアの検討、ソフトウェア間のCertify検討、さらにはシステム・ライフサイクルを考慮したアップグレードの検討など、高可用システムを構成するための検討事項は多岐におよび、そのためにインフラエンジニアは多くの時間を使ってきました。
また、性能要件に関しても、サーバーやストレージ、ディスクパスなどの各コンポーネント間でのバランスと求められる要件との整合をとる必要があり、ある程度インフラに熟練したエンジニアが検討する必要がありました。

そして、この検討に不足や誤りがあった場合には、例えば想定外のボトルネックでシステムの性能が出ない、サーバー障害時に本来は別サーバーでサービスが継続できるはずのデータベースがサービス停止してしまった、といった企業情報システムで致命的なリスクにつながる可能性があります。
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矢木覚(ヤギサトル)
Oracle ACE SIerにおいて、Oracle Databaseの最新技術を用いた、企業システムの基幹システム設計/構築に携わる。大規模RACやOracle Exadataによるシステム設計・データベース統合等を行ってきた。その経験を基に、現在ではオラクルの技術を広めるエヴァ...
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