データベース開発支援ツールで圧倒的No.1を継続中
Object Browserは現在、Oracle Databaseのほか、Microsoft SQL Server、IBM DB2、日立HiRDB(2012年4月から)に対応している。SQL Serverはオンプレミスだけでなくクラウド版のSQL Azureにも対応済みだ。Oracle DBやSQL Serverはともかく、HiRDBとはずいぶんマニアックな……と思わず口にすると、「実は、DB2とHiRDBは先方から依頼されて対応版を製作したんです」と梅田社長。データベース開発における使いやすいGUIツールが市場にいかに少ないかを物語るエピソードである。そして同時に、データベースベンダも「(対応製品を)作ってほしい」と言わせるほどにObject Browserのユーザインタフェースが優れていることをも表している。
冒頭でも触れたように、Object Browserは1997年にOracle DBのみに対応した最初のバージョンを出している。初物が得意の同社らしく、国内初のデータベース開発支援GUIツールの登場だ。
「キャラクタベースのツールしかなかった当時の開発スタイルは、まるで聴診器で身体の健康状態をひとつひとつ診ていくようなものだった。CTスキャンにかければ効率的で迅速な診断ができることは誰もがわかっていたのに、そのCTスキャンがなかった」
このCTスキャンにあたる商品がObject Browserだったというわけだ。はじめは自社開発用に作成したOracle DB用のGUIツールだったが、非常に評判が良かったため、パッケージ製品として販売を開始した。
サードパーティであるシステムインテグレータがGUIツールを出すならと、オラクルはその後、Oracle DBに標準の無償ツールとしてGUIツールを同梱してきた。正直、梅田社長もこのときは「売上が落ちることを覚悟した」という。しかし、実際にはその覚悟は杞憂に終わった。「オラクルがタダで配るツールよりもObject Browserのほうが使い勝手が上」というユーザの声は、変わらないシェアにそのまま反映され続けている。
各種のアンケート調査でもObject Browserの満足度は高い。2010年に某コンピューター誌で行われた開発支援ツールに対するアンケートでは、設計、開発、テスト、構成管理、プロジェクト管理部門、5部門中4部門で1位を獲得している。2位以下はすべてフリーの製品であり、商用製品としてはまさに国内に敵なし状態である。
「フリーの脅威はたしかに感じるけど、現状ではまだかなりObject Browserに分があると思う」