夏サミのテーマは「ソーシャルエンタープライズ」。ソーシャルメディアはIT業界の中で盛り上がっている分野のひとつですが、それをエンタープライズという文脈で考えたとき、デベロッパーにはどういう役割がそこにあるのでしょうか?ソーシャルエンタープライズをテーマにした意味、そしてデベロッパーとの関わりについて、主催の翔泳社から岩切晃子氏、コンテンツ委員長の及川喜之氏、コンテンツ委員の鈴木雄介氏らに集まってもらい、話を聞きました。(聞き手はPublickey 新野淳一氏)
ソーシャルエンタープライズとは
岩切 今回、はじめて夏にデブサミをやります。しかも10年目の区切りのあとのはじめてのデブサミでもあります。これまでのデブサミが「共有」だったとすれば、これからの10年は「行動」をそこに加えていきたい。そのために何を学び、どう行動するのかを提案したいと考えたとき、「ソーシャルエンタープライズ」というテーマがあるのかなと。
ただソーシャルエンタープライズはまだ始まったばかりのムーブメントなので、まだどんなものなのか、デベロッパーの視点でどんなことが考えられるのか、といったところが定着していない面もあります。こういったことを、コンテンツ委員長の及川さんとコンテンツ委員の鈴木さんに来ていただいて、話をしてみたいと思っています。
及川 セールスフォース・ドットコムがソーシャルエンタープライズへの取り組みを始めたきっかけは、すでにお客様はソーシャルメディアを積極的に活用してコミュニケーションをとっているのだから、そこに企業も踏み込んでいくべきでしょう、と考えたところからでした。
ソーシャルエンタープライズとは、ひとことで言えば業務やシステムに社内外のソーシャルメディアを取り入れた新しい企業のあり方を指します。 ソーシャルエンタープライズには3つの段階があると考えていて、まず社内にソーシャルメディアを入れて社員のソーシャル化をはかりましょうと。次に、ソーシャルメディアを使っている顧客の声に耳を傾け、最後がソーシャルメディアで顧客とエンゲージしましょうと。
岩切 ソーシャルエンタープライズが素敵なテーマだと思うのは、これまでコストカットの文脈で使われることが多かったIT業界の話題の中で、そうではなくて企業のファンやブランドの魅力を増すこと、従業員のコミュニケーションを活性化することで生産性を向上させると言ったプラスの議論が多いことだと思っています。
新野 そのソーシャルエンタープライズの流れの中で、デベロッパーにはどういう役割が期待されるのでしょう。