プレゼン相手の集中力は15分しかもたない
皆さんは企画書をつくるとき「分量」を考えますか? 例えばプレゼンの際、1ページを2分で説明すると10ページで20分かかります。実はプレゼンを受けている側、つまり提案相手の集中力は15分持てばよい方なのです。ですから、おすすめしたいのが10ページ程度の分量の企画書です。必要な資料や見積りは別紙にすればよいでしょう。写真などビジュアルは企画書に入れ込むより、大きくプリントアウトしてブラックボードに貼って見せると効果があります。
第1回で申し上げたように、企画書で伝えるべき最重要ポイントは「メリット」「スケジュール」「予算」です。うまくそれらをまとめられれば、ワンシートでもよいくらいです。しかし、プレゼン時の体裁などを考え、その3つのポイントを核として10ページ程度に構成すると、どんな場合でも使える「勝負企画書」の原型になると思います。
著者秘伝のマトリクスで、企画書作成にスピード感を
毎回毎回10ページの構成を一から考えたり、作ったりするのはスピード感がありませんよね。今はテンプレートを保存しておくという便利技がありますので活用しない手はありません。
また、企画書を書くのはしんどい作業です。特に最初の1行を書くのに時間がかかったりしませんか? 企画書を書くふりをしてネットで遊んだり、ラーメンを食べ始めてしまったり。そんな場合にも「汎用の勝負企画書フォーマット」を持っておくと、すぐ制作モードに入れること請け合いでしょう。
このマトリクスは筆者が作成し公開しているものを2008年度版にアレンジしたもので、大概の企画提案がこの構成を応用できると思います。「★」が重要ポイントです。しかし、企画書の最後まで温存するより、「表紙」や「提案コンセプト」など青地で書いてある各パートで、「相手のメリットを訴求」するようにすると、提案にスピード感が出てよいと思います。
矢印のどおりに構成してもよいですし、途中飛ばしてもらっても構いません。最後の「課題」「おわりに」は必要があると思った際に適宜つけることで、誠実で丁寧な印象を与えることができます。
この構成をPowerPointやWord、あるいはKeyNoteなどプレゼンに使う文書ソフトのタイトルに入れて持っておいてください。急な提案が入ったとき、あるいは締切り間際になっても企画書の筆(マウス)が動かないときは、このフォーマットを眺めながら考え、それぞれのページに思いつくまま単語を入れていくと作業が進むはずです。自分の業界に合わせてメンテナンスしていき、特に採用されたものは「勝ちテンプレート」として保存し、自分の武器として使いましょう。
・勝負企画書フォーマットを作って、作業を効率的に。