データベース、いいな!
株式会社コーソルでOracleサポートグループに所属している上野めぐさんは、学生時代は植物生態学を専攻していた。大学院にまで進んだが、研究者にはならずに就職の道を選ぶことに。新卒で就職したのは、なぜかソフトハウス。プログラマーでの仕事デビューとなった。学生時代にPCは使っていたが、WordやExcel、あるいは研究で利用していた統計処理ソフトウェアどまり。「データベースなんて全く知りませんでした」という。
プログラマーの仕事をしばらく続けていたところ、「SQLを覚えてデータベースをやってくれ」と上司に言われる。これが上野さんの、Oracle Databaseとの出会いだった。ある程度SQLが理解できるようになると、社内にデータベースエンジニアが少なかったこともあり、上野さんの身につけたスキルは重宝された。
「徐々に、データベースはどのようなシステムにも必要なものであり、システムの性能にも大きく関わる重要なものだと分かってきました。さらに、お客様の財産であるデータをしっかりと守ることや、データの活用を容易にすることが、お客様のビジネスの発展につながる。そんなふうに考え始めると『データベース、いいな』と感じるようになりました」(上野さん)
しかしソフトハウスでは、データベース技術をより深く追求したいと考えていても、担当するプロジェクトによって求められるスキルも変わる。次のプロジェクトはC言語で、その次はJavaでの開発・・・となり、なかなかデータベースに関わり続けることができない。
技術者としてふつふつとした知識欲を抱き始めた。そんな折に、たまたま出会ったのが現在の勤め先であるコーソル。とある転職フェアの会場で見つけ、データベースの技術者集団の会社なんてものがあるんだ、と驚いた。その転職フェア会場には、現場のエンジニアと一緒にコーソルの金山社長も来ており、会社の雰囲気をつかむことができた。データベース技術を極められるだけでなく、長く働ける環境があることにも魅力を感じ、上野さんはコーソルへの入社を決意した。
採用時、金山氏からは「入社までにORACLE MASTERのSilverを取得してね」という言葉をもらう。期間はおよそ2ヶ月。ORACLE MASTERの参考書としては有名な『黒本』と、学習ソフトウェアのiStudyを使って勉強をした。SQL以外の知識がなく、苦戦はしたが、なんとか入社前にSilverを取得することができた。
入社後、配属までの1ヶ月あまりの研修期間中に、Goldの資格取得に励んだ。Goldの取得には指定されている研修の中からどれか1つを受講する必要があるが、実務が始まると、その研修受講が難しくなるためだ。前述の『黒本』やコーソルの入社時研修を利用して学習を重ねたが、管理、運用系の知識は机上の勉強だけでは心許なかった。さすがにGoldレベルとなると、そう簡単ではなかったと上野さんは振り返る。
Gold指定研修は、「正直、さっぱり意味が分かりませんでした」と上野さん。というのも、受けた研修コースはReal Application Clusters(RAC)。上野さんがこれまで扱ってきたのは、シングル構成のデータベース環境だけ。シングル構成でさえも運用管理がままならないのに、いきなりRACの話では、さっぱり分からなくても仕方がない。「Oracle Databaseの洗礼を受けたような気がしましたが、これからこの奥深い技術を追求できることに対し、ワクワクしたのも事実です」(上野さん)
猛勉強のかいもあり、なんとか配属前にGoldに資格試験にも合格できた。「私は、試験は得意なほうかもしれません。むしろ、試験だけが得意なのかもしれません」と、上野さんは謙遜する。