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業務システムにUI/UXを適用する「ビジネスUXカンファレンス」レポート

ユーザー経験の利便性や快適性を提供し、価値を高めるための考え方であるUX(ユーザー・エクスペリエンス)が、エンタープライズIT の分野でも注目されている。11月8日(木)にトゥービーソフトジャパンと翔泳社の主催で開催された『ビジネスUXカンファレンス2012』の内容を紹介する。

 

業務システムにもユーザー経験(UX)の考え方を

 ユーザーの利便性やユーザー経験を重視するUI/UXの考え方は、Webビジネスの世界では浸透してきている。しかし、企業のERP、CRM、SCM をはじめとする企業の業務システムの分野では、まだ遅れているのが実状だ。画面インターフェイスやユーザビリティの部分的な検討がシステムの設計・開発工程の一部としておこなわれるにとどまっている。

 しかし、最近のモバイルデバイスやクラウドの進展により業務システムのデバイスも多様化していることや、システムの活用のレベルを向上させることでビジネスの生産性をあげることが課題になっている現在、企業の業務系のシステムにも、UI/UXの考え方が必要になってくる。トゥービーソフトは韓国では、この企業向けUX企業の大手である。

 今回その日本法人トゥービーソフト・ジャパンがおこなったカンファレンスは、この分野を「ビジネスUXP(Business User eXperience Platform)」と位置づけ、考え方と日本での適用事例を紹介するという主旨だ。

アップルとサムスンの特許戦争のフォーカスはUI/UXにある

株式会社トゥービーソフトジャパン 代表取締役社長 金 永玄 氏(キム ヨンヒョン)
株式会社トゥービーソフトジャパン 代表取締役社長 金 永玄 氏(キム ヨンヒョン)

 はじめにTOBESOFT の創業者のメンバーであるトゥービーソフトジャパンのCEO キム氏が登壇。キム社長は、現在熾烈を極めているアップルとサムスンの特許戦争について触れた。アップルとサムスンの世紀の特許訴訟の中で、iOS関連の実用特許は、バウンスバック、ダブルタップズーム、ピンチズームの3種である。バウンスバックは画面を動かした時の、跳ね上がる動き、ダブルタップズームは画面をダブルタップしてズームインやズームアウトさせる機能、そしてピンチズームは両指を折ったり広げたりしてズームをコントロールする機能である。iPhone登場以降、サムスンがそれまでのWindowsPhoneデバイスに見切りをつけ、Galaxy(Android)にシフトした。その変化のスピードがサムスンの強みであり、ノキアにはそのスピードがなかった。そしてアップルとの特許戦争のフォーカスはUI/UXのデザインにあることを強調し、スピードとデザインの戦いになっていると述べた。BUXは業務システムにこのUI/UXのデザインとスピードをとりこむための方法論であるという。開発プロセス、プラットフォーム、データフレームを統合したり、ワンソースでマルチデバイス、マルチブラウザー、マルチスクリーンサイズのアプリケーションを開発するものだと紹介した。

デジタルマーケティングの時代にUXは必須と語る石黒氏

ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 石黒 不二代 氏
ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 石黒 不二代 氏

 基調講演で登壇したネットイヤーグループCEOの石黒不二代氏は、2000年のネットベンチャーの隆盛の時代のWebマーケティングから現在にいたる10年間をふり返り、Webデザイン中心から、顧客の行動履歴、購買行動やソーシャルでの言葉までをとりこんだデジタルマーケティングの時代になってきていることを語った。「ビッグデータって何だかうさんくさそう」と思われるのは自然で、なぜなら「よくわからない」からだと石黒氏はいう。その上で、非構造のデータや顧客の行動を活用するマーケティングの考え方を、顧客管理システム(CRM)と結びつける手法について紹介し、「日本の場合、企業内のシステムのデザインに配慮が足りない。今後企業システムにもデザイン性が必要」と語った。

企業システムのUX開発方法論を体系化したTUM

株式会社トゥービーソフトジャパン デザイナー チェ・インヒ氏
株式会社トゥービーソフトジャパン デザイナー チェ・インヒ氏

 続いてトゥービーソフトジャパン デザイナーのチェ・インヒ氏がUX開発プロセスの発表を行った。トゥービーソフトはソウル大学と企業のためのUX開発方法論の共同研究をおこない、その結果をTOBESOFT UX METHOD(TUM)にまとめた。現場での調査から整理の手法まで全体を体系化し、800ページの分量のドキュメントとなっている。分厚いものであるが、それぞれのプロセスはかなり実践的に解説されているという。プロセスはUnderstanding(背景・環境調査)、Research(観察&分析)、Idea(発想&戦略)、View&IA(設計&構成)の4段階となる。このうち、観察・分析プロセスの具体的な例として、インタビューやグループ型討議やモニタリングの手法、EJM(Emotional Journey Map)といわれるワークショップ型の課題抽出方法などが紹介された。またひとつのソースコードで様々なデバイスや画面への対応をおこなう開発方法として、OSMU(OneSource Multi Use)の考え方を紹介した。

TOBESOFT UX METHOD(TUM)
TOBESOFT UX METHOD(TUM)

XPLATFORMによるUX実現

株式会社トゥービーソフトジャパン COO 崔 彰桓 氏(チェ チャンファン)
株式会社トゥービーソフトジャパン COO 崔 彰桓 氏(チェ チャンファン)

 続いて行われたトゥービーソフトジャパンのCOO チェ氏の講演では、企業のビジネスUX 実現をする為に必要なUI/UX 製品であるXPLATFORMが紹介された。PC の基幹系システムからAndroid とiOS のモバイルアプリをOne ソースで対応するデモと更にマルチスクリーンサイズに柔軟に対応が可能な技術、また、HTML5 の対応事例とBUX を実現する一つとして、SAP のHRシステムの画面をXPLATFORM に自動コンバーターし、利便性を高めるデモが紹介された。さらに、XPLATFORMの具体的な導入事例として株式会社ヒスコムによる北陸コカ・コーラボトリングの営業支援システムの構築事例(3階層システムによるプレゼンテーション層の改善とJBossとの併用事例)、コマツ教習所の講習管理システムのUI設計事例、野村総合研究所による金融機関向け広域オンラインサービスでの導入事例などについて、各社が発表をおこなった。

ビジネスUXカンファレンス発表資料

  本記事で紹介してトゥービーソフトジャパン主催の「ビジネスUXカンファレンス」のセッション内容をまとめた資料を入手いただけます。資料ダウンロードはこちら

 

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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