いろいろ作ってはみたものの・・・。あなたは自社のBCPを知っていますか?
東日本大震災、いわゆる「3.11」から本稿の執筆時点で2年が過ぎましたが、東北地方太平洋沿岸に押し寄せる大津波の映像は、我々の脳裏にいまだ深く焼き付いています。この震災ではマグニチュード9.0という日本観測史上最大となった揺れの大きさはもとより、地震発生後の火災延焼、太平洋沿岸へ押し寄せた超巨大津波、さらには福島第一・第二原子力発電所の故障と放射能漏れ等が次々と起きたことで、広範囲にわたる複合災害が実際に起こりうることを、日本のみならず世界が改めて認識させられました。
これを契機に、企業ではBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の立案に留まらず、発生したことを想定した訓練実施まで、従来以上に真剣に取り組むようになりました。BCPとは、主に自然災害等が起きた場合、どのようにすれば自社のビジネスを継続していくことができるか、といった方針を取りまとめたものです。
「3.11」の後に、内閣府が実施した「企業の事業継続の取組に関する実態調査」によると、2011年度の時点で大手企業の9割以上、中堅企業の7割近くがBCPに取り組んでいることがうかがえます。
一方、上記の中でBCPを策定中または策定予定と答えた企業に、BCP策定時の問題点・課題を聞いてみると、大手・中堅共に「策定に必要なスキル・ノウハウがない」という回答が半数近くを占めていることがわかります。