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ビッグデータ社会のプライバシー問題

「データブローカー」に暗雲―米国で高まるパーソナルデータ活用の規制強化の機運(1)

■第2回


米国の個人情報保護法制は、業種(金融、医療等)やテーマ別(迷惑メール対策、子どもの保護等)に個別法を定める“セクター形式”をとっており、我が国の個人情報保護法に相当する一般法はない。一般法がないことから、対応する個別法のない業種や分野におけるパーソナルデータの保護は、事業者の裁量に委ねられており、この比較的自由にデータを利用できる環境がビジネス創出に寄与してきたと考えられる。しかし近年、当局が企業のパーソナルデータ利用をプライバシー侵害行為に該当するとしてペナルティを科す事件が相次いでおり、規制強化の機運が高まりつつある。今回は、日本では未だあまり知られていない米国におけるパーソナルデータの流通状況について紹介し、プライバシー保護の規制強化の動向について紹介する。

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この記事の著者

小林 慎太郎(コバヤシ シンタロウ)

株式会社野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 兼 未来創発センター 上級コンサルタント専門はICT公共政策・経営。官公庁や情報・通信業界における調査・コンサル ティングに従事。情報流通が活発でありながら、みんなが安心して暮らせる社会にするための仕組みを探求している。著書に『パーソナルデータの教科書~個人情報保護からプライバシー保護へとルールが変わる~』(日経BP)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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