SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Enterprise IT Women's Forum

2025年1月31日(金)17:00~20:30 ホテル雅叙園東京にて開催

Security Online Day 2025 春の陣(開催予定)

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

オープンクラウドの基礎知識

オープンクラウドの基礎知識[7]ベンダー各社が急ぐ「オープンクラウドエコシステム」の強化

パブリッククラウド市場においては、AWSのクラウドサービスがマーケットリーダーとして市場を牽引する中、各社がオープンクラウドを核とし、エコシステムを形成しビジネス展開を強化する動きが加速している。

ベンダー各社が急ぐ「オープンクラウドエコシステム」の強化

 調査会社のIDC Japanは2013年6月6日、「国内オープンソースソフトウェアエコシステム市場予測」を発表した。国内における2012年のオープンソースソフトウエアのエコシステムの市場規模は6751億6200万円、2012年~2017年の年間平均成長率は10.2%で、2017年には1兆962億円に達すると見込んでいる。

 IDCでは、このオープンソースソフトウェアエコシステムの市場成長を大きく牽引しているのは、OpenStackやCloudStackといったオープンソースのクラウド基盤構築/管理ソフトウェアや、OpenFlowといった仮想ネットワークの分野で、市場規模は2017年には551億、OpenFlowエコシステムの市場規模は329億円に達すると予測している。

 これらのオープンソースを活用したパブリッククラウドとプライベートクラウドの構築は、2015年頃から本格的に普及していくと見られており、各事業者はオープンクラウドをベースに、パートナーとの提携を進め、オープンクラウドエコシステムの強化を急いでいる。

「オープンクラウド戦略」を発表し、オープンクラウドに急速に舵を切るIBM

 IBMは2013年3月、IBMのクラウドソリューション「IBM SmarterCloud」をクラウドの仕様や規格にオープンスタンダードを採用した「オープンクラウドアーキテクチャ」ベースで構築し、ベンダーロックインのないオープンなエコシステムを形成する「オープンクラウド戦略」を発表し、オープンクラウドへの取り組みを加速させている。

 5月24日から販売を開始した「IBM SmarterCloud Orchestrator」では、クラウド基盤ソフトウェアにはOpenStackを採用し、アプリケーションを管理するPaaSレイヤーでは標準規格のひとつであるOASIS TOSCAに準拠している。これにより、クラウド環境の迅速かつ柔軟な構築や運用の自動化、連携、移行などの容易性を確保し、セルフサービスポータル機能も充実させている。

 IBMは6月4日には、パブリッククラウドサービスを提供する事業者の大手であるSoftLayer Technologiesの買収を発表した。買収手続きの完了は2012年第3四半期を予定している。買収完了次第、IBM Global Technology Servicesの組織内に、新たなクラウドサービス部門として「IBM Cloud Services Division」を創設し、SoftLayerを単独企業として配置し、新部門が管轄する予定だ。IBMでは今回の買収により、スタートアップや中小企業などの顧客層の拡大を図っている。

 日本IBMは2013年6月11日には、ユーザーのワークロードに応じてITリソースの最適化と自動マッピング、つまり、ソフトウェアによって構成を自動化する環境を実現する「Software Defined Environment(SDE)」のコンセプトを発表した。第一弾としてネットワーク全体の仮想化をオーバーレイ方式で実現するソフトウェア「IBM Software Defined Network for Virtual Environments VMware Edition(SDN VE)」の提供を開始している。

 日本IBM 専務執行役員の三瓶雅夫氏は、6月11日の発表記者会見の中で「徹底的にオープンなテクノロジーでもって、お客さまのシステムで稼働するワークロードを抽象化し、最適なリソースを継続的に自動でマッピングしていくことがSDEの狙い」とし、OpenStackやOpenDaylightといったオープンなプロトコルに対応し、今後IBMが提供するさまざまなソフトウェアや製品にこのコンセプトを実装していくという。

次のページ
「オープンハイブリッドクラウド」を推進するRed Hat

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
オープンクラウドの基礎知識連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

林 雅之(ハヤシ マサユキ)

国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュケーションズ株式会社勤務)1995年NTT(日本電信電話株式会社)入社。地方で中小企業の営業ののち、マレーシアにて営業および国際イベントの企画・運営を担当。NTT再編後のNTTコミュニケーションズでは、事業計画、外資系企業や公共機関の営業、市場開発などの業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4935 2013/07/03 07:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング