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EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

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2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

日立のデータベース

「おやつ会議」が生んだ、日立のインメモリデータグリッド技術の結晶に迫る!


はい、大きな声で!「インメモリKVS!」「分散!」「実行!」

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おっとりと難解な話をする杉本さん

 さて、じゃあインメモリデータグリッドの2つ目の条件とは?

 「『分散していること』です。インメモリKVSの最大の強みは、データ更新を極めて高速に処理できるところにあるんですが、大量データの更新となると、やはり1台のマシンだけでは性能が頭打ちになってしまいます。そこで複数のノードに処理を分散させて、性能をスケールアウトできる仕組みが必要になります」(梅田さん)

 ふーん。でも、最近のサーバだと相当大量にメモリ積めるようになってるし、1台のサーバを目いっぱいスケールアップさせるだけでも、そこそこいけそうな気も。

 「たとえば、携帯電話キャリアの通信ログや、電力会社のスマートメーターなどのシステムでは、秒間数十万件ものデータ更新をさばかなくてはいけません。これだけ大量・高速の更新となると、スケールアップではとても対処できません」(杉本さん)

 秒間数十万件の更新!! そりゃさすがに1台じゃ厳しいわな……というわけで、「分散させずばインメモリデータグリッドにあらず」ということですね、はい。ちなみに、ちょっと前から耳にするようになってきた「分散KVS」というやつは、まさに今説明したような特徴を備えた製品のことで、Facebook発祥の「Cassandra」とかが代表選手。

 では、最後の3つ目の条件は?

 「『実行できる』こと、つまりサーバ上で、ある程度のデータ加工・計算処理を実行できることです。分散KVS自体は、キーを指定してデータを個別に出し入れする機能しかありませんが、これだけだと実際の業務で使う際、アプリケーションとのやりとりのオーバヘッドが大きくなってしまいます。そこで、せっかくたくさんのサーバがCPUを搭載しているので、サーバ上である程度のデータ処理をやらせてしまおうというわけです。一般的なリレーショナルデータベースで言うところの、ストアドプロシージャやトリガみたいなものでしょうか」(梅田さん)

 こういう仕組みがあれば、一般的なデータベースの性能ではとても更新処理が追い付かないような大量のデータが飛んできても、とりあえずはインメモリデータグリッドに全部ボコボコ放り込んじゃって、ある程度データを集計した上で、あらためてバックエンドのデータベースに渡すようなことが可能になる。つまり、データベースの手前の「キャッシュ」としてこいつを置くことで、これまで処理できなかったような大量・高速のデータ更新をさばききれるようになるというわけだ。つまり、インメモリデータグリッドは既存のデータベースを置き換えるものじゃなくて、データベースといい感じで組み合わせて使うものなのね。

 と、ここまで説明してきた「インメモリKVS→分散→実行」という順番は、実はインメモリデータグリッドの技術発展の歴史そのものだそうで、ここまで詳しく語ってくれたということは、もちろん日立のEADsはこれらをすべて満たしてるわけですよね?

 「もちろんです! 2012年末にリリースしたバージョン2でこの3つの条件すべてを満たして、さらに2013年7月にリリース予定のバージョン3では、基盤部分を大幅強化しています」(梅田さん)

 おお、自信満々ですね! そういえば、DB Onlineでは2012年6月に、梅田さんにEADsについて語ってもらった記事を載せてるけど(「日立のインメモリ型KVSが登場! その背景と技術的特徴を訊いた」)、じゃああのとき話してくれたのは、EADsの初代バージョンのこと?

 「ああ、はい、うーん、でもあの時はなあ……(遠い目)」(梅田さん)

 ん? なんだか急に微妙な空気が漂い始めたぞ……。

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開発プロジェクトに暗雲が立ち込める……

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5010 2014/01/16 14:14

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