Windows XPの次にユーザーが選ぶ環境は、Windows 8とは限らない
Windows XPのサポートが終了する。少し前から話題になっているので、読者の皆さんはもちろんご存じのことだろう。2014年4月9日をもって、Windows XP、Microsoft Office 2003、Internet Explorer 6のサポートが終了、以降はセキュリティ更新プログラムなどの重要なサービスの提供が行われない。つまり、今後これらソフトウェアに何らかのセキュリティホールが見つかってもパッチは提供されず、これを回避するにはその製品の利用をやめるか、バージョンアップするしかない。
もちろん、4月9日以降、Windows XPが使えなくなるわけではない。「このサポート終了の発表を受けたユーザーには、温度差があります。安全ではなくても、まだ2年くらいは使うという人もまだまだいるようです」と語るのは、株式会社カスペルスキー マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の松岡正人氏だ。セキュリティ対策製品を提供するベンダーの立場からも、ユーザーにはあらゆるリスクを理解した上で利用する、しないの判断をして欲しいと述べる。
また、サポートの切れるWindows XPを今後も使い続けるかどうかの判断には、セキュリティ上安全かどうかという観点とは別の要因もあると松岡氏は指摘する。
「Windows 7が出た頃は、新しいOSを早く使いたかった。しかしWindows 8はどうか。Windows 8の使いやすさがどうかではなく、そもそもPCでなくとも仕事は行えます。Windows XPを使い続けるかは、OSのサポートが終了する以上に、今後のユーザークライアントのプラットホームをどうしていくかを考える話なのです」(松岡氏)
Windowsをバージョンアップするかではなく、そもそもPCをやめてスレートPCやタブレットへ移行する選択肢もある。その移行タイミングまでは、Windows XPを使い続けるという判断もあるわけだ。
実は、このPC以外の選択は、セキュリティベンダーにとって対応に苦労するところだ。以前であればWindowsとMac OSだけを対象に製品提供していればよかった。しかし、いまではiOS、Android版も提供し、このあとはFirefox OSにもと、次々と対応していかなければならない。「これは、ここ1、2年の大きな環境変化です」(松岡氏)
セキュリティ対策に積極的な企業は、Windows XPがどうこうではなく対策には投資する。とはいえ、そのこととは別に、今後の端末環境をどうしていくかの選択が始まっている。その変化を見据えたセキュリティ対策を、企業としては考えていかなければならない。