Windows XPの移行先はSurfaceで
ビジネスのさまざまな現場でもタブレット端末が利用されるようになった。とはいえ、これまで利用してきたPCのアプリケーションが動かない、あるいは利用したい周辺機器がつながらないといったこともあり、PC環境の便利さをそのまま移行できないことが理解され始めた。となると、ビジネス現場で利用しようとすれば、おのずと不満も出てくる。
そういうタイミングで登場したのが、Surface。個人向け販売が開始されてすぐ、企業顧客から法人向けの販売はないのかという声が数多くあったとか。今回法人向けの販売を開始する前の時点で、すでに500社以上の引き合いがあったというのだから、企業の期待感はかなりありそうだ。
「とくにWindows XPのサポート終了で、Surfaceの需要が高まっています」とのこと。PCにもなるタブレットであるSurfaceには、顧客の目が向いているようだ。そんなSurfaceを、いち早く全社導入することにしたのが北國銀行。Androidベースのタブレット「ARROWS Tab LTE F-01D」を2012年から利用してきたが、早くもSurfaceに乗り換えることになるようだ。
Surfaceを全行員に1人1台配布することとなった背景には、全社のIT基盤をMicrosoft製品に統一する動きがある。そうなればクライアント環境もMicrosoft製品に統一することで、構成はシンプルになりワンストップでのサポート体制を構築できる。
さらに、すでに導入していたAndroidのタブレットは、主に行員が外交販売などに利用していた。結果、外ではAndroidタブレット、銀行内ではWindows PCというように使い分けていたわけだ。これがSurfaceに統一することで、タブレットとしてもPCとしても使える。このハイブリッド型であることも、Surface採用ポイントとなった。
MicrosoftがWindows XPのサポート終了を発表して以降、PCの市場は様変わりしているようだ。発表からおよそ4ヶ月、来年の4月までにはWindows XPのPCをWindows 7、あるいはWindows 8に替えなければならない。その結果、ここ最近のPCの出荷台数は大きく伸びており、導入規模が大きいと数を確保するのにかなり時間も要する。今回認定Surfaceリセラーになった6社のうちの1つリコージャパンでは、今年度のPC販売台数が70万台から80万台に増えそうとのこと。さらに顧客によるSurfaceへの注目の高さもあり、当初来年度は2万台程度のタブレット出荷を見込んでいたが、10万台くらいに拡大するのではと予測している。
来月にはWindows 8.1が登場する。これにより、かなりビジネスでの使い勝手は向上するようだ。Windows 8ベースのSurface RTでも、3rdパーティー製のVPNが利用できるなど、ビジネスユースの壁となっていたことがいくつか解消される。これもまた、企業のSurface導入の敷居を下げそうだ。そんなわけで、Windows XPからの移行先として、Surfaceを選択する企業は確実に増えそうだ。Microsoftが、値下げなどでてこ入れしたかいがあったということか。