米国、韓国に比べ、セキュリティの人材育成が大きく遅れている日本
「1日に1から2件は、セキュリティ事故に関する報道があります。これは今後も増える傾向にあり、危惧しています」と語るのは、シマンテック 代表取締役社長の河村浩明氏。セキュリティの脅威は増加しているのに対し、それを防御する国内の体制はいまだ不十分な状況だ。
国際的なセキュリティ専門スキルの認証であるCISSP(Certified Information Systems Security Professional)の資格取得者数は、世界で8万6,000人あまり。そのうち5万7,587名が米国だ。しかし、これでも米国のセキュリティ対策の専門家は足りていないと言われている。対して日本は、わずか1,281名しかいない。韓国が日本のおよそ倍、日本よりはるかに人口が少ないシンガポールや香港が日本と同じくらいの取得者数である状況を見ても、いかに日本の人材が不足しているかがよく分かる。「日本はセキュリティの人材育成が遅れていて、由々しき状況です」(河村氏)。
そんな中、シマンテックでは昨年2012年11月にサイバーディフェンスアカデミーを設立し、セキュリティ専門家の育成に努めてきた。今回の会津大学との取り組みは、そういった活動の中の1つであり、シマンテックの研修コンテンツを座学だけでなく演習も含め会津大学に提供する。