インフラ、クラウド、ネットワークなど、9つのカテゴリー別に取り組みを推進
これら3つの取り組みは、製品ジャンルや事業ごとに9つの領域で具体的な施策が展開されている。9つの領域というのは、インフラストラクチャー、クラウド、ネットワーク、クラウドマイグレーション、汎用アプリケーション、マネージドセキュリティ、運用管理、統合カスタマーポータル、パートナーシップのことだ。
たとえば、インフラストラクチャーは、データセンターの拡充や海底ケーブルの敷設を指している。データセンターは現在143拠点17.1万㎡(海外6.9万㎡、日本10.2万㎡)で提供中だが、今後、英国で3番目で最大規模となるHemel Hempstead 3を2015年第1四半期から提供するなど、150拠点20.8万㎡(海外10.3万㎡、日本10.5万㎡)まで拡大させる計画だ。海底ケーブルも日本、アメリカ、アジア主要国を低遅延で接続している。
クラウドは、先に上げたBizホスティングを中心とした取り組みだ。Bizホスティングのスタート時点で、世界で初めて仮想ネットワークを商用利用したことをはじめ、仮想ネットワークを使った世界初の事例が多くある。たとえば、データセンターのクラウド環境(BizホスティングEnterprise)と顧客のオンプレミス環境を仮想ネットワークで接続する「オンプレミス接続オプション」の提供(2013年6月提供)、データセンターのコロケーションとオンプレミス環境を仮想ネットワークで接続する「コロケーション接続オプション」の提供(2014年4月予定)、データセンター内とデータセンター間を仮想ネットワークで接続する「仮想データセンター(予定)」などだ。Cloudn(クラウド・エヌ)についても、2013年10月からVPN接続や複数プライベートセグメントに対応した新メニューを追加する。
ネットワークは、先に上げたAracstar Universal Oneを中心とした取り組みで、クラウドマイグレーションは、70名のチームからなるクラウド移行のコンサルティングサービスとなる。また、汎用アプリケーションは、クラウド基盤を通したユニファイドコミュニケーションサービスを指している。「Arcstar」として提供しているメール、ストレージ、IPボイスなどに加え、2014年3月からは仮想デスクトップ、同4月からはビデオシェアを提供予定だ。
マネージドセキュリティは「WideAngle」として提供している統合リスクマネジメントサービス。子会社だったスウェーデンのSecodeやドイツIntegralisを10月1日付けで新会社NTT Com Securityに再編。セキュリティログの相関分析エンジンであるSIEMエンジンをもとに、専門のセキュリティアナリストがリスク分析やコンサルティングを提供する。一次窓口対応から専門分析官によるセキュリティ運用監視まで約200名体制で実施している。
このほか、運用管理では、ITILに準拠したグローバルで統一した運用管理サービスを提供する(2014年4月予定)こと、統合カスタマーポータルとして上述のビジネスポータル提供すること、社内外とのパートナーシップを進めていることを説明。最後に「グローバルICTアウトソーシングの提供で、お客様の経営改革に貢献する」という同社のビジョンを説明して、講演を締めくくった。
展示会場では、有馬氏の講演内容に基づいた、製品やソリューションを「ICT基盤」「アプリケーション」「運用管理」「スマートなライフスタイル」という4つのカテゴリーに分けて紹介していた。ICT基盤では、BizホスティングEnterpriseやCloudn(クラウド・エヌ)、データセンターサービスなどを展示。アプリケーションでは、ユニファイドコミュニケーションやBYODソリューション、BCP対策ソリューション、クラウド型PBXソリューションなどを展示していた。
また、運用管理では、NTTコミュニケーションズ ビジネスポータルやSIEMエンジンのデモを実施。スマートなライフスタイルでは、ビッグデータ×O2Oソリューションや、コミュニケーションアプリConneQTなどを展示していた。
このほか、グローバルカフェとして、中国、香港、インドなどのNTTコミュニケーションズの現地法人ブースを設け、各国社員による講演を実施。また、ICTソリューションセミナーとして、4つのトラック(各30分)で、製品やソリューションの解説を行っていた。
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