SAS対応モデルも発売
宮原:ハードウェア面ではどうでしょうか?
池田:従来はSATAドライブ対応のモデルだけでしたが、10月末からはSASドライブ対応モデルも販売開始となりました。SASですとより信頼性が高く、パフォーマンス的にも良好です。SASに慣れているお客様に手を伸ばしやすくなり、引き合いが増えています。
宮原:「SATAだと、ちょっと……」と敬遠する人もいますからね。
池田:最近のSATAはいいのですけどね。
宮原:確かに(笑)。今はSAS版も出ましたから、SATAを敬遠する人には選択肢が増えてよかったですね。実際のところ導入実績の規模はどのくらいでしょうか?
池田:今年だと多い月で2500台程出荷しています。年度末は昨年の倍以上の需要を見込んでいます。先ほど話したように大学を始めとした教育機関や研究機関からの引き合いは多いです。大手企業での採用も増えてきています。
宮原:ほかにも特徴はありますか?
池田:使い勝手の良さ、操作性も挙げられます。あまり高いスキルがなくても設定できるように設計されています。GUIはかなり凝っていてMac OSの感覚で操作できると思います。
宮原:さきほど話に出たプライベートクラウドストレージですね。
池田:今や業界標準になったDropboxと同様の感覚で、QNAPの特定のフォルダ上のデータをパソコンやモバイルデバイス(スマートフォン、タブレット)と同期できます。
宮原:これから数年でSMB市場にて仮想化が進むのは間違いないと予想できます。これまでの大企業で行われてきた性能にシビアな仮想化とは異なるので、ベンダー各社はコストパフォーマンスで競合してくるように思います。
また今後は仮想化未経験でスキルや知識がない担当者でも使えるような製品が好まれるようになるでしょう。その流れでクラウドに注目が集まっているのですが、クラウドを使うのでなければ、こうしたQNAPのようなコストパフォーマンスに優れ、事前検証済みの製品が選択される傾向が高まってきそうです。今後QNAPの製品を中小企業の市場に投入されるフォースメディアの展開に期待したいと思います。
【関連ページ】