「スマート教育」市場、2020年までに2580億円規模に
コンサルティング事業本部消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部副主任コンサルタントの松田裕之氏は「現状では、学習効果や見識の広がりは、教育者に依存することが多い。ICTを使って学習者個人に最適な方法で学習を行うことで、学習効果と見識の広がりを最大化する」と説明した。
スマート教育については、自民党教育再生実行本部が提言した「国家戦略としてのICT教育」にも明記されている。具体的には、2010年代中に1人1台のタブレットPCを整備すること、全教師が児童生徒の発達段階に応じたICT活用の指導力を身につけること、ICT教育コンテンツシステムの創造といった3つの目標が掲げられている。
NRIではこうした政策が実際に行われたとして、スマート教育に関する市場は2020年までに、ハード面で少なくとも1590億円、ソフト面で少なくとも990億円規模になると予測している。
「現在の教育が直面する課題としては、地域間で教育に格差があること、教員の負荷が増加していること、テクノロジーの発展が教員の知的キャパシティを超えていること、人材要件が変化していることの4つがある。それぞれについて、ICTをどのように活用できるかを探っている」(松田氏)
教育現場へのITの適用は、今にはじまったことではない。ただ、近年では、新しい考え方に沿ってこうした課題にこたえる取り組みが進んできており注目できるという。消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部副主任コンサルタントの佐藤太一氏は、そうした先進事例を5つのタイプに分けて具体的に紹介した。