多くのスタートアップを生むアメリカの文化、そして日本との違い
まず、シリコンバレーで数多くの有名スタートアップを育んでいるアメリカの文化についての話題から始まった。日本との大きな違いとして「家族」「高等教育」「社会」の3つの要素があるという。
起業への理解とサポートする家族の存在、アントレプレナーシップとイノベーションを学校の授業や部活を通して学べる高等教育、大手企業がベンチャーの存在を認め、協働する社会がスタートアップを支える米国の文化である。
幼少期に行うレモネード販売は、起業をするうえで重要な経験だと話を続ける。お小遣いをもらえない代わりに、親からお金を借りた子どもはレモネード販売で自分のお小遣いをつくる。レモネード作りを通して、プロダクトづくりやお客を呼び止めるためのマーケティング、お小遣いを増やす為の価格設定などを通した利益の生み方を自然と学んでいく。
「幼少期から起業するために何が必要かを自然と覚えていくこともあり、自分の身体のなかでアントレプレナーシップとイノベーションが充実していく」と語り、恐れずに起業をする若者が多いアメリカの気質を述べる。
“失敗を恐れない”精神もスタートアップには必要な要素である。アメリカでは、2,3回失敗してもその失敗が成功に繋がれば良しとされる。企業評価35億ドルと言われ、現在35ヶ国で展開する「Uber」の創業者は3度目の起業であり、2度の失敗からの学びから生まれたと紹介する。
スタートアップを取り巻く環境として、資金調達や運営を助ける「インキュベーター(アクセレーター)」、「投資家」、「エグジットの機会」がインフラとして整っているとUzzaman氏は語る。
特にエグジットの機会こそ大きな特徴であり、「新規事業研究資金の少ない大企業は、ベンチャーを買って自分たちが強くなると考えている。世界の合併吸収の9割以上がアメリカで起きているのが現状」と語った。