XenDesktopのアーキテクチャ
XenDesktopはデスクトップおよびアプリケーション仮想化を実現するソフトウェアである。デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化には、それぞれいくつかの方式があるが、XenDesktopで利用される主要な方式は、サーバー上で稼働させたWindows OSのデスクトップあるいはアプリケーションの画面をネットワーク経由で転送し、ユーザーがどこからでも自分の業務環境にアクセスできるようにするものである。
XenDesktopはこれを実現するための複数のモジュールから構成される。
Delivery Controllerは中核となるサーバーモジュールであり、サイト構成データベースに構成・設定情報を格納する。管理者はCitrix DirectorおよびCitrix Studioという管理ツールで構築や運用管理を行う。PVS(Provisioning Services)は仮想デスクトップを単一イメージから大量展開できるツールだ。
ユーザーは、WindowsやMac OS、あるいはiOSやAndroidなど、好きなデバイスを用いてCitrix Receiverというソフトウェアで仮想デスクトップ/アプリケーションに接続する。StoreFrontというポータルにアクセスし、アカウント情報を入力すると、管理サーバーであるDelivery Controllerから、そのユーザーが利用可能なデスクトップやアプリケーションの情報が提供され、ユーザーはポータル画面に表示されたアイコンをクリックするだけでそのデスクトップやアプリケーションにアクセスできる。
多くの場合、仮想デスクトップ(およびアプリケーション)はデータセンターなどに設置したサーバーマシン上で稼働しており、ユーザーはその環境にリモートアクセスして利用する形となる。アクセス先のOSにはVDA(Virtual Delivery Agent)いうモジュールがインストールされ、Citrix独自のHDX(High Definition eXperience)テクノロジーを実現するために用いられる。