クラウドサービスとERPパッケージの組み合わせでグローバルビジネスを強力に後押し
このDGSPの構想を具現化するに当たり同社が採用したのが、NTTコミュニケーションズが提供する「Microsoft Dynamics AX on Bizホスティング Enterprise Cloud」だった。これは、NTTコミュニケーションズのエンタープライズ向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」の上に、マイクロソフトのグローバルERPパッケージ製品「Microsoft Dynamics AX」の環境を構築して提供するというもの。

宮本氏によれば、Bizホスティング Enterprise CloudとMicrosoft Dynamics AXはともに、当時DNPグループが抱えていた課題を解決する上で最も適した製品だと判断した上での選択だったという。
「弊社の海外拠点におけるビジネスは、まずは素早く小さく立ち上げて、徐々に大きく育てていくという形を取る。従ってICT基盤にも素早くスモールスタートでき、後に柔軟に規模をスケールできる特性が求められるが、その点クラウドは要件にマッチしていると判断した。特にNTTコミュニケーションズのBizホスティング Enterprise Cloudは海外でも広くサービスを展開しており、しかも全世界で共通仕様になっているため、DGSPの基盤としては最適だと考えた。Microsoft Dynamics AXに関しても同様に、大規模ERPパッケージと比べると機能が軽くスモールスタートに適していると同時に、グローバルで数多くの実績を持つ点を高く評価した」
この2つの製品・サービスを中核に据え、さらに認証・認可サービスやセキュリティサービス、データ共有サービスといった周辺サービスを周囲に配置した構成でDGSPは構築された。クラウド基盤やERPパッケージの導入においては、NTTコミュニケーションズの手厚いサポートサービスに大いに助けられたと宮本氏は振り返る。

「インフラからアプリケーションに至るまで、すべてのレイヤーに渡ってNTTコミュニケーションズさんにワンストップでサポートしていただいた。この手厚い支援がなかったら、恐らくDGSPの構築は成功していなかったと思う」
この記事は参考になりましたか?
- NTT Communications Forum 2014 レポート連載記事一覧
-
- 「局地戦からの脱却を目指す」DNPグループのグローバル戦略を支える共通ICT基盤とは?
- "ワークスタイル革新"を進める上で鍵となる4つのポイント―全日空 幸重孝典氏が解説
- 絶え間ないサービス強化とM&Aでクラウド市場を戦う―NTTコム 有馬社長、クラウドへの積極...
- この記事の著者
-
吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)
早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア