コストについての誤解
フラッシュストレージはまだまだ高価だというイメージがある。実際、大容量化と普及による低価格化で安価になったとはいえ、容量単価を比較すればまだまだハードディスクに分がある。とはいえ、ハードディスクでコストを安く抑えれば、システム全体のコストも安くなる、という単純な話でもない。
たとえば、現状システム性能の問題の多くはストレージのIO待ちが原因だ。ストレージ性能が足りずにIO待ちが発生すると、CPUも次の処理に移れずCPU利用率が上がらない。逆にストレージのIO処理が速くなれば、それを処理するCPUの利用率が高まり、より少ないCPUコア数で同じIOを処理することができる。つまり、遅いハードディスクベースのストレージを高性能なフラッシュストレージに変えることで、サーバのCPUコア数を減らして、データベース等のCPUコア数ベースのライセンス費用を削減できる可能性がある。
「コストを下げるためには、システム全体のリソースの利用効率を上げることが重要ですが、サーバとストレージで分けて考えがちです。システム全体のコストを下げるためには、サーバのCPUとストレージのIO性能のバランスも重要になります。同様に、アプリとインフラのバランスも重要です。データベースの機能やチューニングで性能を向上させるか、ストレージで性能を上げるかによっても、コストが大きく変わります」(若松氏)
その例として挙げられたのが、性能の確保のためにOracle Enterprise Editionが選択されるケースだ。Enterprise Editionには、性能向上に有効なパラレルクエリーや3ノード以上のRAC(Real Application Clusters)がサポートされている。
「性能確保のためにEnterprise Editionを選択しているケースも見られますが、ストレージをフラッシュにすることで、これらの機能を使わずStandard Editionで同様の性能を得ることも可能です」(若松氏)
実際にフラッシュ化でどれくらいCPUを減らせるか、EMCのオールフラッシュストレージXtremIOを使ってOracle 11g環境で検証した結果がある。ハードディスクベースのシステムでは、48コアで40%程度のCPU稼働率だったシステムが、フラッシュ化することでIO性能が改善し、CPU稼働率は60%程度まで上昇する。これは同じ処理であれば32コアあればさばけることとなり、16コアのCPUを削減可能となるのだ。サーバの負荷をストレージにオフロードできることで、サーバのスペックも下げることができ、その時のライセンス費用とサーバ費用の合計は、以前の1/3となることがわかった。浮いたコストで、オールフラッシュストレージを10台以上購入できるという。もちろん、そんな台数は必要ないことから、オールフラッシュストレージでシステム全体のコストを大きく削減することも可能だ。
Oracleデータベース環境を新定義!―オールフラッシュストレージで変わる!
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