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知らないと怖い、フラッシュストレージに対する誤解と落とし穴

 新規にデータベースシステムの導入をしたい、あるいは既存環境の性能問題などを解決したい。そのために、フラッシュストレージを検討するのはもはや当たり前になりつつある。とはいえ、フラッシュならばどれでも同じというわけではない。EMCジャパン マーケティング本部プリンシパル マーケティング プログラム マネージャーの若松信康氏は、フラッシュについては誤解と導入の際の落とし穴があると指摘する。

コストについての誤解

 

フラッシュストレージはまだまだ高価だというイメージがある。実際、大容量化と普及による低価格化で安価になったとはいえ、容量単価を比較すればまだまだハードディスクに分がある。とはいえ、ハードディスクでコストを安く抑えれば、システム全体のコストも安くなる、という単純な話でもない。

 たとえば、現状システム性能の問題の多くはストレージのIO待ちが原因だ。ストレージ性能が足りずにIO待ちが発生すると、CPUも次の処理に移れずCPU利用率が上がらない。逆にストレージのIO処理が速くなれば、それを処理するCPUの利用率が高まり、より少ないCPUコア数で同じIOを処理することができる。つまり、遅いハードディスクベースのストレージを高性能なフラッシュストレージに変えることで、サーバのCPUコア数を減らして、データベース等のCPUコア数ベースのライセンス費用を削減できる可能性がある。

 EMCジャパン マーケティング本部プリンシパル マーケティング プログラム マネージャー若松信康氏
EMCジャパン
マーケティング本部プリンシパル マーケティング
プログラム マネージャー若松信康氏

 「コストを下げるためには、システム全体のリソースの利用効率を上げることが重要ですが、サーバとストレージで分けて考えがちです。システム全体のコストを下げるためには、サーバのCPUとストレージのIO性能のバランスも重要になります。同様に、アプリとインフラのバランスも重要です。データベースの機能やチューニングで性能を向上させるか、ストレージで性能を上げるかによっても、コストが大きく変わります」(若松氏)

 その例として挙げられたのが、性能の確保のためにOracle Enterprise Editionが選択されるケースだ。Enterprise Editionには、性能向上に有効なパラレルクエリーや3ノード以上のRAC(Real Application Clusters)がサポートされている。

 「性能確保のためにEnterprise Editionを選択しているケースも見られますが、ストレージをフラッシュにすることで、これらの機能を使わずStandard Editionで同様の性能を得ることも可能です」(若松氏)

 実際にフラッシュ化でどれくらいCPUを減らせるか、EMCのオールフラッシュストレージXtremIOを使ってOracle 11g環境で検証した結果がある。ハードディスクベースのシステムでは、48コアで40%程度のCPU稼働率だったシステムが、フラッシュ化することでIO性能が改善し、CPU稼働率は60%程度まで上昇する。これは同じ処理であれば32コアあればさばけることとなり、16コアのCPUを削減可能となるのだ。サーバの負荷をストレージにオフロードできることで、サーバのスペックも下げることができ、その時のライセンス費用とサーバ費用の合計は、以前の1/3となることがわかった。浮いたコストで、オールフラッシュストレージを10台以上購入できるという。もちろん、そんな台数は必要ないことから、オールフラッシュストレージでシステム全体のコストを大きく削減することも可能だ。

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アジャイル開発環境のコストを削減し、開発スピードを向上

 もう1つ、フラッシュストレージの導入でコストメリットが得られるのが開発環境だ。単に開発用システムのコスト削減だけではなく、開発期間を短縮し、品質の向上にも貢献できるという。特にアジャイル開発の現場では、設計、開発、テストを回すスプリントを繰り返しても、なかなか品質が上がらなかったり、期間内にスプリントが終わらないといった課題に直面することがある。品質を上げるために、実環境と同じ環境で、データも本番データベースのコピーまたは可能な限り本番に近い開発用のインスタンスでテストしようと思っても、データのコピーに時間がかかる上に、繰り返されるテストやそこでのバージョン管理等のために必要なコピー数が増大している。

 「容量効率の良いスナップショットを取るという方法もありますが、使用時には本番データベースにIOが生じるため、性能影響を無視できない場合には使えません。そのため、本番データと同じ容量のクローンコピーを、本番環境への影響を見ながら、時間をかけて取得することになります。それが開発期間やストレージコスト増大の要因となりますが、企業によっては、数十個のクローンコピーを開発・テスト用に使っていますので、ストレージ容量も数十倍になっています」(若松氏)

 EMC XtremIOでは、これらの問題を解決したアジャイル開発環境を提供できる。

 「XtremIOには、インライン重複排除機能があり、フラッシュドライブにはユニークなデータしか書き込みません。つまり、クローンコピーのために容量は消費しません。コピーデータに対してユニークな書き込みがされた時点で初めて容量を消費するため、容量のムダもありません。クローンコピーの処理は、メタデータをコピーするだけで完了です。完全にインメモリで行われるため、コピー時に本番データを格納しているフラッシュドライブへのIOも発生しません。性能影響の心配も無く即座にクローンコピーを取得して利用できますので、開発スピードを向上させることができます。いつでも必要なときに最新のコピーデータが取れるようになることで、本番とのデータの差異で生じていた品質低下を抑えることにも役立ちます。また、フラッシュドライブの性能メリットを活かせることで、スナップショットを活用できるケースも増えます。XtremIOでは、スナップショットも、インメモリでメタデータの属性を変更するだけでメタデータのコピーすら必要ありません。ほぼ瞬間的に実行できます」(若松氏)

ストレージコストの削減+アジャイル開発(PPT10ページ)
ストレージコストの削減+アジャイル開発

 たとえば、開発・テスト時のコピーデータへの書き込みがデータ容量の3%程度と仮定した場合の試算がある。10テラバイトの本番データベースに対し、10個の開発用データベース・インスタンスを立ち上げて、3個の複製データベースを作るような場合に、従来のストレージで性能確保のためのドライブも考慮すると220テラバイトあまりの容量が必要なると考えられる。そこにXtremIOを導入することで、必要な物理容量は10テラバイトで、スペースや消費電力も大幅に少なくて済む。さらに、IO性能もハードディスクベースのストレージの2倍から4倍となり、結果的なコストは半分程度に抑えられるとのこと。

 実際の顧客の環境でも、29テラバイトの容量を1.45テラバイトの容量に抑えて、ストレージコストを54%削減、システムのフットプリントを70%削減すると同時に、開発サイクルを30%迅速化した例がある。

 「フラッシュの性能をフルに使い切っているケースは実際にはまれです。性能余力を遊ばせておくのではなく、開発・テスト環境を本番環境に集約し、ストレージを統合することで、コストを削減できるだけでなく、データの利用が容易に迅速になり、今後データの活用方法を多様化していく上でも有効です」(若松氏)

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2ヶ月経つと性能が劣化するという落とし穴

 フラッシュストレージは速くて当たり前、と言われるが、読み取りの性能に対して書き込みの性能は1/2~1/3程度である。それでもハードディスクに比べれば大変高速だが、使用していくうちに、書き込みの性能が大幅に低下する可能性があるという事実をご存じだろうか。

 「最初はとても高性能だったのに最近急に書き込み性能だけ劣化した…という場合、その原因のほとんどは、ガベージコレクションです」(若松氏)

 ガベージコレクションは、データの書換え時に起こるバックグラウンド処理だ。なぜバックグラウンド処理が発生するのかというと、フラッシュはハードディスクと違ってデータの上書きができないため、書き換える際には、データの削除が必要になる。しかも連続した書き込み領域を確保するために書き換える対象より大きな単位でしか削除ができない。つまり、書き換えなくてもいいデータまで削除、再度書き込む必要がある訳だが、このときに発生する追加の処理が書き込み性能劣化の要因となる。

 「購入した時点では何も書かれていないため、書換えも無く高速です。ウェアレベリングで平準化して、全てのセルに書き込まれた後の2巡目の書き込みからガベージコレクションは発生します。つまり、セルあたり3万回の書き込みが可能なeMLCでは、最初の1回目の書き込みと、それ以降の29,999回の書き込みの性能が違うという点を理解しておく必要があります」(若松氏)

 では、その性能劣化はいつから発生すると考えればいいのか?

 「初期の容量利用率やIO特性によっても違ってきますので、あくまで参考レベルですが、データベース用途にフラッシュを使っているEMCのお客様のデータでは、早い企業で20日、遅い企業でも149日目から2回目の書き込みが始まっています。平均で大体2ヶ月くらいでしょうか」(若松氏)

 とはいえ、全てのフラッシュストレージで大きな性能劣化が発生する訳ではないという。ガベージコレクションの方法が違うためであるが、その方法には、ストレージコントローラで処理するものとSSD内のASICで処理するものの2種類がある。

 「性能が大きく低下するのは、ストレージコントローラで行っているケースです。ストレージコントローラでガベージコレクションを処理する場合、コントローラとフラッシュの間のバックエンドの帯域を使って、コントローラのCPUを使用して追加のI/O処理することになります。書き換えによるパリティの再計算も相まってコントローラのCPU負荷が増大します。SSD内のASICで行うものはその中で処理が完結されるため、他のSSDへの性能影響はほぼありません。それによるストレージコントローラのCPU負荷の追加もありません。XtremIOは、SSDのASICで行う方式を採用していますので、2巡目以降の書き込みでも一貫性の高い性能が出せます」(若松氏)

 では全てのベンダーがSSD内で行えばいいはずなのに、なぜストレージコントローラで処理するベンダーがいるのか?という疑問も残る。

 「汎用的なSSDはいじらず、コントローラのインテリジェンスを追求する、という設計思想があります。CPUの性能も年々上がっていますので、それでコントローラの負荷が上がっても、後継の高性能のものに交換していけば問題ない、という考え方です。ただ、SSDもそのままでは、ストレージシステムとして最適化された処理ができませんので、ストレージシステムに組み込む際には、ファームウェアを変える必要があります。SSDベンダーと協力して開発する必要があり、それができるベンダーとできないベンダーの差もあるでしょう」(若松氏)

 こういった点を踏まえて、導入前の性能テストでは、必ず、2巡目以降の書き込みまで確認する必要があるだろう。

 調査会社のIDCでは、オールフラッシュストレージのテストフレームワークをまとめたホワイトペーパー「All Flash Array Performance Test Framework」も発行している。そういった情報も、落とし穴にはまるリスクも削減する上で有用だろう。

 「性能重視の場合で、第三者機関の公正なテストフレームワークに則って、2巡目の書き込みまでテストした上で、XtremIOよりも性能がよければ、そのときはその製品を使ってください」と若松氏は自信を見せる。EMCでは、これらのコストメリット、性能の落とし穴を事前に確認できるアセスメントサービスを提供している。どういったシステムに対しどのような構成にすればいいのか。システム統合なのか、仮想化の活用なのか、フラッシュを入れた際の効果を可視化した上で判断することが可能だ。

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