Microsoftは機械学習に古くから取り組んでいた
クラウド技術の発達もあり、デスクトップ中心の時代に比べれば膨大な量のデータも利用できるようになった。その膨大なデータを学習することで、新たな知見を得る。クラウドとビッグデータという最近のIT業界の変化が「機械学習で得られる知見をイメージしやすくしています」と田丸氏は言う。そんな機械学習だが、いまなぜこれだけ注目されるようになったのか。そこには単に大量データを扱えるようになっただけでなく、アルゴリズムの変化もある。それが「Deep Learning(深層学習)」の進化だ。
機械学習のアルゴリズムは、ここ2年くらいで進化した。これまではデータを学習する際には、特定的な傾向をモデル化し利用していた。つまりこれは、データの特徴があらかじめ分かっているようなものに適用されてきたことになる。これに対し、たとえばデータサイエンティストは、データに対し事前の処理を行い「特徴」を抽出し、それをもとに結果を導き出す。このデータを見て特徴を見つけ出すところは、かなり人のノウハウや能力に依存するところだ。
この人に依存していたところをある程度、機械学習に任せられるようになったというのが、Deep Learningの進化だ。Deep Learningは、人間の脳を模したニューラルネットワークの仕組みを活用する。かつてのニューラルネットワークとDeep Learningが異なるのは、簡単に言えばニューラルネットワーク部分を多層化することで、莫大なデータの中から特徴を抽出できるようになった。
これまでデータサイエンティストが行っていたような試行錯誤してデータから特徴を見いだす処理を、機械学習が代行できるようになった。Deep Learningで大量のデータを学習させることで、より確度の高い結果を得られるようになったのだ。