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「“人に喜んでもらいたい”を具現化する」-アシスト 佐藤あゆみさん

 アシストでOracle Databaseのサポートを担当している佐藤あゆみさん。顧客に何らかの完成形を与える開発や構築と異なり、顧客の環境を粛々と正常な状態に導くのがサポートだ。

「ア」はアシストの「ア」!

佐藤あゆみさん
佐藤あゆみさん

 佐藤あゆみさんは文系出身。「数学が苦手で(文系を)」と苦笑い。レポート作成でパソコンを触るのが苦ではなかったため「ITもありかな?」というノリでIT企業も視野に入れた。

 企業一覧は大抵アイウエオ順なので上から順番に見ると「ア」のつくアシストは比較的すぐたどり着く。企業サイトから当時の社長(ビル・トッテンさん)の「人を大切にする」という哲学にひかれて応募した。「人に喜んでもらいたい」という純粋な気持ちがトッテン氏と共鳴したようだ。

 配属前の希望には漠然としたイメージで「プリセールス」と申告したものの、言い渡されたのはサポート。希望と異なっていても「そうなんだ」程度で大きなショックはなかった。どの部署だとしても実務が明確にイメージできていたわけではないので、特にこだわりはなかったという。

 新人研修に始まり、サポートセンターの研修を経て、実務デビューは7月から。まずは簡単な応答などから徐々に経験を積んだ。

 サポートセンターだと夜勤もある。佐藤さんは夜勤を命じられれば応じるつもりだったものの、女性ということもあり、結局夜勤を命じられることはなかった。夜勤を経験しなかったのはキャリアにプラスかマイナスかとあらためて考えると難しい。善し悪し両方あるようだ。

 夜勤とは基本的に待機である。問い合わせが少ない時間帯なので合間に試験勉強など自習に打ち込むこともできる。ただし佐藤さんは「夜勤ではないほうは日々お客様からの問い合わせに対応するので実践面において密度の高い経験ができます」と話す。自習か実践か。どちらも境遇を生かす道はあるということのようだ。

 サポート業務の苦労は何か。どのサポートセンターも常に様々なトラブルが寄せられる。そして顧客の苦情は正確な情報とは限らない。時に混沌とする。例えば「データベースが落ちました」と報告が寄せられても、調査したらデータベースとの接続が切れていただけで、データベースサーバー自体は落ちていなかったということもある。そうした謎解きの連続だ。

 またトラブルに直面した顧客と接するのは神経をつかうことだろう。トラブルに遭遇すると多少なりとも人間は動揺するからだ。語気が荒くなったり、他人を責めたり。それはストレスでは?と佐藤さんに聞くと、「お客様は情報システム部の方が多いので、冷静な方が多いです」とのこと。コンシューマ製品ではないためか、激高するクレーマーにはめったに遭遇しないようだ(とはいえ、全くないとは限らないと思うが)。語気の荒い人に遭遇すると「逆に冷静になりますね」と佐藤さん。

 つらいのは別にあるらしい。これは筆者には予想外だった。「もっと技術力があれば早く解決できたのに」と技術力不足を実感するときがつらいのだそうだ。そうした悔しさをバネにスキルを伸ばしてきたのだろう。

 自分の力不足、あるいはまれに理不尽な苦情を申し立てる顧客など、ストレスを抱えることもある。そんなとき職場で佐藤さんを支えるのは同じサポートの同期2人だそうだ。佐藤さんの思いの丈を聞いてくれるという。ドライで冷静だとか。個性や役割がいいバランスで分かれていて、いい同期たちに恵まれているようだ。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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