一般的に、サーバ仮想化製品を高度に利用しようとすると、外部のディスクアレイが必須になります。仮想サーバ導入を検討する際、このディスクアレイが、コストやサイジングの面で壁になる場合が多々あるのではないかと思います。今回は、仮想サーバとストレージ仮想化ソフトウェアSANmelodyを使って、仮想インフラを最小のコストでスタートする構成例について、Citrix XenServerとの事例を例に挙げて説明していきます。
ストレージのサイジング
ハードウェアに紐づいていた従来の未仮想インフラでは、システムやサービス単位でハードウェアのサイジングを行っていました。そのため、ストレージも予め単一のシステムで使う容量や性能や可用性を元にサイジングしていました。
一方、仮想サーバ環境の場合、複数のシステムに対してサイジングを行う必要があり、更にシステムによっては将来の不確定な統合まで視野に入れる必要があります。

当然、導入時に性能や容量、可用性など、将来のストレージ要件を考慮したサイジングと投資を行うと、非常にコストが膨らみます。逆に、コスト重視でストレージ選定をした場合、統合が進めば直ぐに要件不足に陥ってしまう場合もあります。
一般的に多くの仮想化ユーザは、仮想サーバを評価し、テストなどを行った後に統合の範囲を決めるので、導入時はスモールスタートを望むのですが、ストレージの部分で希望と実際のコストへのギャップが生じてしまうケースが多くあります。
この問題に対するソリューションが、「ソフトウェアによるストレージの仮想化」です。
SANmelody on VM
SANmelodyは、ソフトウェアでストレージを仮想化する製品です。
SANmelodyは、ハードウェアに依存せず、極めて汎用的なプラットフォームで動作するため、仮想マシン(VM)上でSANのストレージを構成する事も可能です。つまり、外部のディスクアレイが無くても、仮想マシン上に同様のストレージデバイスを作る事ができるのです。

最もエントリーなSANmelodyライセンスは、16万円(サポート4万円/年)から提供されています。また、1ヶ月の期限つき評価版もダウンロードが可能です(ダウンロードサイト)。
SANmelodyは、仮想サーバの評価やテスト、デモンストレーション、スモールスタートというニーズに非常に適したソリューションと言えます。
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片山 崇(カタヤマ タカシ)
データコア・ソフトウェア株式会社 取締役 兼 セールス・マーケティングマネージャー成蹊大学法学部卒。アルゴ21において仮想ストレージ、SAN、バックアップ、災害対策、ストレージアセスメントなどのストレージソリューションの営業を幅広く経験。現在、仮想ストレージベンダーであるデータコア・ソフトウェアにて、様々な業種の...
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