冴えたレイアウトで相手をつかむ
前回は、プレゼン時に提案相手をつかむ、というお話をしました。企画書で相手をつかむ大きな要素と言えば、何と言っても、かっこいいページレイアウトでしょう。むろん、PowerPointなどでは、すぐ使えそうなテンプレートがいくつも用意されています。
しかし、競争相手も同じようなテンプレート使ってくるでしょうから、提案先からは「なんだ、どれもよく似てるなあ」なんて苦笑されてしまいます。
そこで、冴えたページレイアウトのポイントを4つ述べましょう!
- 視線はZ(ゼット)!左右に拡げすぎない
- 余白をふんだんに使う
- 「困ったら写真」
- ワンスライド、ワンメッセージ
レイアウト4箇条を心得よ!
1. 視線はZ(ゼット)!左右に拡げすぎない
企画書のページレイアウトは、基本的に読み手の視線を左上から右下に向かわせます。文字は横書きですから、視線が「Z」のカタチで文字や図解を追っていきます。この「Z視線」があまり左右に振れすぎると、読み手が疲れやすいのです。
たとえば、野球のスライダーのように、人間の目はあまり左右に振れすぎると読みづらいと感じます。ですから、目一杯文字を左右に拡げるのではなく、段組を使って二段に分割したりして、横幅をせばめ、視線の左右移動を小さくすると読み手が読みやすくなります。
2. 余白をふんだんに使う
1.とも関連しますが、A4横のスライドを「余白は悪だ、とにかく文字や図解で埋め尽くそう」とでも考えたような企画書を見ますが、やはり読みにくいです。さらに、それを紙ではなくてプロジェクターなどに投影されると、まったく文字が読めなくなったりします。
別に余白があってもよいのです。テキストはページの横2分の1程度にとどめて、左側を余白にしておいてもよいです。なぜ、左かというと、ホチキスなどで左を留めたり製本したりするからですね。
3. 困ったら写真
なかなか気に入ったテンプレートがない、あまり書くことがなくて「かっこう」がつかない、余白を使おうと思うけれどうまくデザインできない、などと、ページレイアウトに悩むときは「写真」を活用すると便利です。スライドの背景、または左半分に高品質な写真を貼り付けて、文字は最小限の説明にとどめます。
このスタイルはどこかで見たことありませんか? そうです、アップルのスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、スライドを最小限のメッセージと写真で構成している場合が多いですね。
4. ワンスライド、ワンメッセージ
「なんかごちゃごちゃしてわかりにくいな」と提案先に思われるパターンでよく見るのが、一枚のスライドに異なるメッセージの図解やテキストを複数記載しているような企画書です。
繰り返しますが、余白を作らないように企画書をつくるのが正しいわけではありません。相手の頭にスッと入り、ハラにすっと落ちるように工夫することが大事です。ワンスライド、ワンメッセージを心がけると、とてもわかりやすい企画書ができるはすです。